長野市視察研修報告書
平成19(2007)年6月4日(月) 午前10時出発
視察先・ (株)まちづくり長野(長野商工会議所内)、もんぜんぷら座、ぱてぃお大門 など
参加者 22名
研修概要
まちづくり長野(前タウンマネージャー) 服部年明氏より説明
服部氏は、イオン開発担当者という経歴で、平成14(2002)年1月よりタウンマネージャーとして就任。全国のまちづくりのモデル的人材。現在は、独立行政法人中小企業基盤整備機構のまちづくりサポーターとし、地方の中心市街地再生を支援している。
- なぜ、中心市街地の活性化が必要か認識することが大切。都市の評価は、中心街の魅力で決まる。いくら郊外が発展しても、良い都市という評価にはならない。
- 長野市の場合も、平成12(2000)年長野そごう、ダイエー長野が相次いで撤退して、厳しい状況になった。
- 商売中心のまちづくりは間違え。商売が出来る環境をつくることが必要。
- 公の価値を上げないと、個人の価値もあがらない。
- 行政、まちづくり会社、民間等の役割分担が必要で、行政が種をまき、まちづくり会社が口火を切ると民間が動く。
- 長野市は、約5年間で再開発など総投資250億円、10年で回収できると考えている。
- 中心街には核が必要。食品の提供など住んでいる人の利便性を考えてから、ファッションなどの構成を考えないと失敗する。
- なんといっても、首長の強いリーダーシップが一番重要。
(株)まちづくり長野(新タウンマネージャー) 越原照夫氏より説明
越原氏は、服部氏と同様イオンの出身。服部氏と共に、5年間まちづくりに携わり、今年から服部氏にかわり、タウンマネージャーに就任。(株)まちづくり長野の事務局は、現在越原氏と長野商工会議所から出向の田中部長と長野市から出向の羽田課長の3名で運営している。
- 主に、(株)まちづくり長野の設立の経緯とその運営内容について説明
- 現在、長野商工会議所会頭が社長。現在の長野市長が、長野商工会議所の副会頭から市長になったことが設立の原動力になっている。
- (株)まちづくり長野は、平成15(2003)年1月に資本金 5,000万円で設立。現在は増資して 8,000万円。
- 出資については、会議所の議員などが、1口5万円で協力してくれて比較的スムーズに設立できた。
- (株)まちづくり長野は、まちづくりの調整と共に、ダイエー跡地のスーパー「TOMATO食品館」と蔵のある中庭を再生した「ぱてぃお大門」の運営を直接おこなっている。
- (株)まちづくり長野の経営は、平成15(2003)年と16年と赤字を計上したが、平成17(2005)年から単年度黒字となっている。(累積赤字は、残っている)
- 裏話として、「ぱてぃお大門」の建設に向けて、自己資金の借入金を調達する際、保証人問題で難航した。最終的に、商工中金の無担保・無保証の資金を利用できることになった。(社長=会頭が保証人になることが難しい。)
- また、裏話として、前知事が田中康夫氏だったため、長野県から補助金がでなかったことも説明があった。
3)現場見学
ダイエーが撤退した建物を長野市が購入、1 階フロアーを直接、(株)まちづくり長野がスーパーとして経営している。当日が、見学が午後3時ごろだったため、比較的お客様は少なかった。
3年目から黒字になっているが、経営はかなり苦しい状況。2階以上は長野市の行政施設、観光協会や交際交流センター、子育て支援施設などが入っている。いろんな施設うまく配置していて利用がされていた。地下は、レンタルスペースとして当日、ヨガ教室や社交ダンス教室などで利用されていた。また、防音になっているため、バンドのスタジオ的な利用も可能。
古いお蔵が残っている地域をパティオとして再生した施設。物販と飲食のお店が19店舗テナントとして入居している。平成17(2005)年11月のオープン以来人気があり、やめるテナントがでないほど。まちづくり長野の経営を支えている。建物内の雰囲気も良く、見学した協議会メンバーも建設手法なども含めて非常に参考になった様子。