甲府市の情報ハイウェイ

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過疎地対策に想う

ICT甲府ブログで2006年9月21日の記事として「甲府市の情報ハイウェイ」を書いていました。議事録が出たら確認しようと思っていたのですが、12月定例会が終わったところで思い出しました。録画も整理できないうちに議事録が読めてしまいました。以下は議事録から抜粋した質疑応答です(フリガナなどを補足してあります)。

2006.09.21 甲府市議会の議事録、平成18年9月定例会(第4号)

50 : ◯橘田秀富君(政友クラブ一般質問)
 次に、情報通信ネットワークのブロードバンド化等についてであります。
 編入合併により、新たに甲府市に加わった地域(旧上九一色村北部)の住民に、市民としての一体感を醸成していくためには、市が公表しているさまざまな情報の共有化を図ることが大切であります。特にITの進んだ今日、市のホームページに直接アクセスできるインターネットは、情報の共有化を進める上で最も効果的な手段であると考えております。

 古関(ふるせきまち 古関町)・梯(かけはしまち 梯町)地区の住民も当然にインターネットを利用して、市の情報を得たいと望んでおります。しかし、当該地区に敷設されているのは、低速な通信回線である電話回線とISDN回線、いわゆるナローバンドのみであり、インターネット利用環境は不十分と言わざるを得ません。高速、大容量の通信を可能とするブロードバンドの整備が強く望まれるところであります。

 また、古関・梯地区は、テレビ難視聴地域であります。民間CATV局テレビによる放送サービスもないことから、住民が共聴組合を設置し、テレビ放送を受信してきました。当然ながら、現在受信しているのはアナログ放送であります。このアナログ放送は、周知のとおり平成23(2011)年7月をもって終了となり、それ以降は地上デジタル放送に対応した受信設備や機器を備えなければテレビを見ることが困難となってしまいます。古関・梯地区は、再びテレビ難視聴地域となってしまうおそれがあります。過疎化や高齢化の進む地域の住民にとっては、テレビは単なる娯楽のためのものではなく、日常生活に欠くことのできない重要な情報源であり、地域住民は地上デジタル放送の移行に危機感を持っております。

 これら2つの課題、つまり高速インターネット環境の実現と、地上デジタル放送の難視聴とを一挙に解決するためには、例えば当該地域に情報通信機器として光ファィバーを設備し、各戸にケーブルサービスを提供する方法などが考えられますが、従来の共聴組合方式では、各戸の負担も大きく、対応を決めかねている状況であります。これらの課題に市として何らかの取り組みを進める考えはあるか、お聞かせ願います。

53 : ◯企画部長(山本 治君)
 次に、情報通信ネットワークのブロードバンド化等についてでございます。
 情報通信ネットワークのブロードバンドの整備につきましては、民間主導のもと、ADSLやケーブルテレビによるインターネット接続サービス等のブロードバンド化が急速に進展をしております。しかしながら、ブロードバンド化につきましては、都市部を中心に進展しておりますが、山間部などの条件の不利地域等における整備につきましては、通信回線提供事業者の投資効率を考えた採算性等により、整備が進みにくい状況にあります。今後ブロードバンド化及び地上デジタル放送の整備につきましては、民間事業社、NHK、国及び県等の動向や地域住民の需要の内容、規模等の把握を行うなど、地域の事情を踏まえた研究をしてまいりたいと考えております。

この答弁に対して橘田さんは以下のように発言されて質問を終わられました。

58 : ◯橘田秀富君
 それから光ファイバーの件ですが、副議長の保坂議員からも言われましたが、NTTドコモでは、最低人口200戸なければだめということで、古関・梯地区は現在141戸、とてもそういうところでは不可能に近い状況でありますが、国、県に陳情してもらいまして、補助などを出してもらって、この事業を進めてもらいたいと思います。
 それから、地域インターネットの上九一色出張所にサーバーを置いて、各公共施設なんかに高速ネットワークの回線が引いてありまして、事務の効率化とか行政情報なんかをやっていますが、この回線を一般家庭にも引けるかどうか、またお伺いします。

ブログに書いたように、この問題はホームページで継続するつもりです。山梨県情報ハイウェイ構想は、すでに実現されたかの如き話を聞きます。確かに国道沿いに光ケーブルの幹線は敷設されらしい、行政が7割使用していて3割を民間解放できるとか、しかしそれを情報ハイウェイだと言うなら「バカ言ってんじゃないよ」です。目の前を高速道路や新幹線が通っていても、市民が使える出入口も駅も無いなら、それは市民にとってインフラとは言えません。ラストワンマイルを設計してから幹線をやるべきだったのに、発想が逆転してしまった県政です。

甲府市は行政幹線を利活用して上九一色地域の情報インフラの整備に取りかかるべきです。なにしろ半ば公的な某サイトで7MBものPDFファイルを平気で載せている山梨県です。ISDN(64Kbps)で7MBダウンロードするのには、900秒(15分)以上かかるでしょう。64Kbps = 8KB/sec(上限速度)でファイルサイズ 7,260KB / 8KB です。
甲府市が2007年度から3年間かけて取り組む新しい行政改革大綱がまとまりつつあるようです。他の事は分からない事が多いですが、ネットワークに関する事については行政問題の勉強をしてみたいと考えています。

行政幹線がどのようなものであるのか、NTTなどは光ケーブルをどのように敷設しているのかなど全く知りませんが、告知端末から地デジ対応まで一気に100%やろうとすると上野原市のような問題が出てきそうです。県内の業者では無く全国プロバイダーと綿密に相談してみると2011年問題を踏まえた安くて便利な解決策が見つかると感じています、それは11月にアイメッセで行われた県内マルチメディアのイベントを見学して痛切に感じた事です。搦め手としては、テレビとインターネットの融合について国(総務省、文化庁)に働きかける強力な全国自治体、知事ネットワークを創る事かも知れませんが、これは既にあるかも?