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道志村のブロードバンド基盤整備

道志村で2009年7月1日、光ファイバーを活用した行政情報提供システム(告知用端末)の運用が始まった。
村内の各家庭に設置した端末で、村の行政案内や防災情報を受信する。端末は村内専用のテレビ電話としての機能もあり、月額使用料(100円)を支払えば通話は無料だ。【編注・告知端末がテレビ電話としても使えるという仕様なので電話機能としては村内限定になる】
村などによると、端末は8インチの液晶タッチパネル方式。相互通信機能で、家庭の端末から村役場への通信もできる。村内の全世帯(623世帯)にテレビ電話が設置されるのは県内で初めて。画面で相手の様子がわかるので、お年寄り世帯の安否確認にも役に立つ。
これと同時に、一般的なインターネット用の光ファイバーも村が敷設した。NTT東日本山梨支店に賃貸する公設民営で、同支店と自治体が連携した事業は県内で初めて。総事業費は約4億900万円。
(2009年07月03日 朝日新聞山梨版から引用・編集)

この道志村の告知端末(テレビ電話)については、「高齢化時代の秘密兵器」(2009-10-03)というブログ記事が判りやすいレポートです。【NTTのフレッツフォン VP1500】のように見えますが・・・機能を限定した簡易バージョンなのかも知れません

導入されたのは、「双方向告知通信システム・知らせますケン」(株式会社アイ・コミュニケーション)

広報「どうし」の2009年7月号に「光サービス開始!」の記事があります。この広報7月号によれば、H21.6.1現在 世帯数:625世帯 人口:1999人 (男:996人 女:1003人)との事です。

「各課の情報」ページと「政策・計画」ページも確認しましたが、今回のプロジェクトに関する記事は分かりませんでした。議会も議事録のネット公開はされていないようです。「道志村総合計画 2006~2015」は「政策・計画」からリンクされているPDFファイルがあります。

◇ 道志村広報からテレビ電話についての説明部分の画像を引用しておきますが、「村外には通話できない」ならテレビ電話がこれまでの固定電話に置き換わったものでは無いでしょう。(具体的な姿が見えて「有線放送電話」(Wikipedia)というシステムを思い出しました。)
◇ NTTのフレッツ光ネクストホームページがあります。道志村広報には担当されたNTTのメッセージも掲載されています。NTT東日本のフレッツホームページから電話番号あるいは郵便番号 402-0209 で確認すると光提供に変わっていました。電話番号ですと「詳細な住所確認が必要です。」なので、郵便番号から入るのがよいでしょう。
◇ ちなみに道志村の地上デジタルテレビ放送(地デジ)対応については、2009年8月10日に道志、続いて秋山中継局の運用が開始されましたので、山梨県内4局(NHK2波+民間2局)がカバーするチャンネルは視聴可能。その為に公設民営の光回線はCATVには関係ないことが分かりました。下図も広報7月号から引用です。
総務省関東総合通信局-平成21年8月10日、道志中継局放送開始 南都留郡道志村の一部 509世帯
総務省関東総合通信局-平成21年10月19日、秋山中継局放送開始 上野原市、南都留郡道志村の各一部 428世帯

以前にも書いた画像サイズの件は、new_00003301.JPG、2009年10月10日現在のホームページでも同様です、これは意図的な制作で読者が手元にダウンロードすることを想定したのかも知れません、それならそれで別な方法がありますが・・・。XHTMLとしての文法上のミスは未だに放置されていて残念です。

このページは、2008.11.28 からブログに書いた記事などを転載し補足更新しています

2009.02.17、道志村の平成21年広報新年号では、村長あいさつの中に『安心・安全なむらづくりのための基盤となるインフラ整備を進める・情報通信基盤整備事業による村内への光ファイバー網の整備(本年7月からNTTの「フレッツ光・ネクスト」によるサービス開始予定)』と書かれています。NTTはインターネットプロバイダーではありませんから、行政が敷設した光回線でNTTがフレッツ光を準備し、それでサービスを提供するプロバイダーが複数参入してくると思います。プロバイダーとしてはNTT局舎と繋いで採算はどうかという問題だけでしょう。道志村の局番がどうなるかでインターネットのIPアドレスも分かってくると思います(OCNなら山梨系列か神奈川系列かというような)。
道志村のテレビ受信環境がどんな状況かは未だ山梨県のインターネット・CATV関連プロバイダーリンク集に記載できる情報を調べられませんが、引き続き広報に注目したいと思っています。私は上野原市でも同様にやれたのではないか、複数のプロバイダーから何処を選ぶかは人として「情報インフラの選択権」、それが本物の情報化、ICT社会だろうと考えているからです。
私が山梨県情報ハイウェイに期待したのも道志村と同じような方法でした、e-Japan国民のインフラとして構築されたネットワークに民間通信事業各社が乗り入れて、いつでもどこでもだれでも高速インターネットが使えるユビキタス社会です。道路を造るのと考え方は同じだと思っていたからです。「黒平の能三番」を書いた時にそこに動画を挿入したら黒平町のISDNでは重過ぎると思って別ページにしたことを想います。

2008年12月06日の山梨日日新聞に「防災情報光回線で発信 道志村が全世帯へ端末貸与 国と連携、来夏に運用開始」という記事がありました。以下要旨です--

道志村は災害時の防災情報を光ファイバーケーブル網を活用して村民に伝えるため、緊急通報機能を備えた情報端末を全世帯に貸与する。防災無線デジタル化に合わせた対応。ケーブル敷設工事や無線更新は年度内の完成を予定していて、2009年7月の運用開始を目指している。村は端末約700台を用意。村外へ転出するまで希望世帯や事業所に年間使用料1200円で貸し出す。このほかケーブルを活用した独居老人の安否確認システムの導入も予定。人の動きを感知するセンサーを使い、異常時には各地区の民生委員が見回りに行き確認する。 ケーブル網整備に伴いインターネット回線の高速化も図れるという。総事業費は4億935万8000円。

独居老人の安否確認システムについては民間企業で製品が出ています。ホームページなど調べていませんが、お年寄りがお茶を飲む時に使うポットの操作状況を定時確認できるような製品で、遠隔地の家族がチェックして操作パターンの異状からお年寄りの異変を察知し対処するというものらしい。センサーというのは侵入検知のあの赤外線センサーみたいなものでしょうか。
山梨日日新聞の記事は視点が防災情報網の整備と端末貸与にあるようですが、私の関心は汎用なブロードバンド整備にあります、その違いがネットしか知らない私と地域の事情に精通した地元紙の違いだろうと感じました。

2008年11月27日の総務省関東総合通信局報道資料で、「山梨県道志村全域で高速インターネットの利用が可能に」が出ていました。≪総務省、平成20年度予算によりブロードバンド基盤整備のための「地域イントラネット基盤施設整備事業」補助金及び「地域情報通信基盤整備推進交付金」の交付を決定≫

総務省関東総合通信局は、地方公共団体等が地域の情報化のために取り組む地域公共ネットワークの整備及び地域の特性に応じた情報通信基盤の整備を支援していますが、平成20年度予算による「地域イントラネット基盤施設整備事業」及び「地域情報通信基盤整備推進交付金事業」を実施する山梨県道志村に対して、次のとおり補助金及び交付金の交付を平成20年11月26日に決定しました。
 道志村は、国の補助事業費(1/3)と過疎対策事業債(2/3)を合わせた総事業費により、村内の公共施設と村民へ行政情報を提供するネットワークを構築するとともに村内全域に光ファイバ網を整備し、光ファイバ網を電気通信事業者に利用させることにより村民に高速インターネットのサービスを提供することとしています。

Doshi_plan
1 地域イントラネット基盤施設整備事業 総事業費 142,527 補助決定額 47,509 (千円)
2 地域情報通信基盤整備推進交付金   総事業費 164,031 補助決定額 54,677 (千円)

すなわち総事業費合計 3億650万円程の事業で図のような目的でブロードバンド環境を構築するものです。

行政情報提供システム
 道志村役場サーバ室内に設置されたサーバから行政情報や防災情報を送信。
【地域イントラ事業】
 住民は公共施設に設置する端末にて、行政情報や防災情報を入手することができる。
 防災面に関しては別に整備する防災行政無線、又、将来的に別事業にて緊急地震速報やJ-ALERT等と連携し瞬時に情報を村民に提供できる環境を整備します。
【交付金事業】
 住民は別途単独事業にて個別に整備する行政情報端末にて、行政情報や防災情報を入手することができる。
 また、住民は端末のTV電話機能等を使用し、行政や暮らしに関する相談を行うことができる。
 行政と住民間、また住民同士の双方向の情報交換を行い、地域防災活動の向上に役立てる。

学校インターネットシステム
本村にある小学校及び中学校の校内LAN、パソコン教室を整備し、今まで利用できなかったブロードバンドを利用した情報教育を行う。

村民に高速インターネットのサービスを提供するためには、民間通信事業者にここで構築した光ファイバ網を使わせるという事になっています。
道志村ホームページを拝見すると、623世帯、人口 2,024人(男性 1,008人、女性 1,016人)ということで5万円/世帯という事業費になるでしょうか。これに過疎対策事業債?(上野原市でも実施された行政情報告知端末とか地デジ対応など?)というのが加わると世帯当りどのくらいになるのかわかりませんので、この事は今後の記事に注意していたいと思います。

以前にも見たことがある道志村ホームページですが、今日みたものはすっかり変わっている感じでした。XHTML 1.0 Transitional で製作されていますが文法的な間違いが多く公開できるような物ではない(ブラウザが文法解釈に苦労するのでサクサク表示されない)、掲載された紅葉の写真は 3,264px × 2,448px の原画を 230px × 173px で表示して、ファイルサイズは3,800KB程もあります。道志村のインターネット回線状況は 0554-52-2111 役場の代表電話で調べても、フレッツISDNがサービスエリアになっているだけです--NTT東日本のフレッツホームページから電話番号あるいは郵便番号 402-0209 で確認できます。

村の登録ドメインは VILL.DOSHI.LG.JP で道志村が登録者ですが、サーバーが何処に置かれていて、どのような回線でインターネットと繋がっているのか知りません。***より先にやることがあるのではないか、それを感じました。私はこういう公的サイトを見るとなんだかとても口惜しくなるのです、公的サイト構築になぜ専門家が関与しないのか、それがわかりません。

道志村のサイトから関連情報を探してみましたので記録します。
道志村ホームページ-「くらしの情報」-「政策・計画」-「頑張る地方応援プログラムについて」に「情報格差是正プロジェクト」があります。これが今回のブロードバンド基盤構築事業に該当します。なお村の財政状況は「平成20年度一般会計予算歳入歳出の状況表」で確認できました。一般会計の規模は20億円です。
総務省関東総合通信局が書いている2つの事業(3億650万円)の他に3番目として、「住民コミュニケーション整備事業」 (村内の全世帯に光ファイバを引き込み及び告知端末の貸出を行い、行政情報及び防災情報を提供する。)として、102,200(千円)があり、総額で4億1300万円として計画されています。
現状でブロードバンド利用可能世帯数が(H20.4.1現在) 3% 16世帯と書かれているのは、国道413号線で月夜野地域がNTTの収容局が違うからです。月夜野キャンプ場 042-787-2461 から確認できます。

NTTが月夜野から村内に向けて新規の光回線を敷設せずこのプロジェクトで構築される回線を活用するという方向が考えられます。042-787 収容局に接続しているプロバイダーを道志村でも使えるという事になるのでしょう。このことは逆に利用したいプロバイダーのホームページから自分の電話番号で調べていくことができます。

しかしインターネット通信事業をNTTが担当するとは限りません。このプロジェクトにより道志村の 0554-52 電話番号が 042-*** に切り替えられる事まで想定しているとは思えません。NTT以外の通信事業者が担当して山梨県情報ハイウェイ(村役場などに来ている既存の行政回線)と接続する事でブロードバンド・インターネットを構築するのか・・・とにかく道志村で構築した民生光回線が外の回線と光で繋がれない限り意味が無い訳ですから・・・事業費を見積もった段階で計画は出来ていると思いますが、村のホームページからはわかりません。

地デジとの関係は不明です。上野原市の光回線とも接続できたら、インターネット環境は上野原市でも様変わりする(UBC+道志村の通信事業者、選択肢が増える)、道志村でもCATV関係が変化するという事になりそうですが・・・そういうことが可能なのかどうか山梨県情報ハイウェイ政策との関連などはわかりません。