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お茶の放射能汚染 2011

山梨県による 2011年 の茶葉測定結果
この時期、食品衛生上でお茶は「その他」の食品区分に含まれて暫定規制値は、放射性セシウム 500 Bq/kg、お茶(荒茶)については、放射性ヨウ素の暫定規制値は定められていない。
下表の核種別放射能濃度は Bq/kg の値です。セシウムは Ce134 + Ce137 の値と思います。
表中の略号は ND : 不検出、NK : 不明(非公開)

ちなみに、2012年4月1日からの茶の新基準値は『原材料の状態では基準値の適用対象とせず、製造、加工後、飲む状態で飲料水の基準値を適用』され 10 Bq/kg です。

山梨県の公表情報は次の通りです・・・
山梨県内で生産されたお茶(生茶葉)の放射性物質検査について 発表日:2011年5月13日
山梨県内で生産されたお茶(生茶葉)の放射性物質検査について 発表日:2011年5月17日
山梨県内で生産されたお茶(荒茶)の放射性物質検査について 発表日:2011年6月30日

発表日 農産物名 ヨウ素 セシウム 採取地区 採取日 検査機関 検出限界値
発表日 農産物名 ヨウ素 セシウム 採取地区 採取日 検査機関 検出限界値
2011-05-13 生茶葉 ND 207 南部町佐野 2011-05-13 横浜検疫所 NK
2011-05-13 生茶葉 ND 98 南部町万沢 2011-05-13 NK
2011-05-13 生茶葉 ND 82 南部町本郷 2011-05-13 NK
2011-05-17 生茶葉 ND 266 上野原市 2011-05-16 NK
2011-05-17 生茶葉 ND 286 大月市 2011-05-16 NK
2011-06-24 生茶葉 ND 73.1 南部町万沢 2011-06-23 NK
2011-06-21 生茶葉 ND 37.7 南部町中野 2011-06-23 NK
2011-06-30 荒茶(二番茶) ND 168.1 南部町 2011-06-29 NK
2011-06-30 荒茶(一番茶) ND 50.6 南部町 2011-06-29 NK
厚生労働省から発出した通知(平成23年6月2日)
事務連絡
平成23年6月2日

宮城県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県
衛生主管部(局) 御中

厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課

茶の放射性物質検査の実施について(依頼)

標記については、平成23年5月11日及び5月16日に連絡したところですが、今般、原子力災害対策本部において「荒茶」及び「製茶」についても暫定規制値である500Bq/kgを超えないよう管理をすることが示され、一部の地域に出荷制限の指示があったところです。
ついては、茶の検査について、下記のとおり対応するとともに、必要に応じ、モニタリ ング検査を強化されるようお願いします。

1 茶の検査については、原子力災害対策特別措置法に基づく出荷制限が市町村単位とすることが可能なことを考慮し、加工所、茶商において、荒茶についても生産地を確認しつつ計画的に検査すること。

2 出荷制限の指示があった区域で産出された茶については、茶商等で荒茶として保管されているものも出荷制限の対象に含まれるので留意されたい。

3 出荷制限の指示があった区域及び暫定規制値を超えた生茶葉が確認された市町村の隣接地域については、優先的に検査を実施すること。

「3.11東日本大震災後の日本」ブログで2011年7月2日、お茶からの放射能(放射性セシウム)検出について最終的なまとめ という記事が出ています。
私が茶葉の汚染について書いたのは 「2011.05.12 足柄茶の放射能汚染を想定外にしないために」 が最初ですが、その後は茶葉が汚染されたことから何を考えるべきかという視点で記事を書いただけです。

「最終的なまとめ」ブログ記事は以下のような構成です・・・
 1.きっかけ
 2.どうしてお茶から?
 3.生葉と荒茶または製茶の問題
 4.静岡県のお茶をめぐるドタバタ
 5.フランスで静岡茶からEUの基準値を超える放射性セシウムが検出!
 6.二番茶は少なくとも静岡県のお茶は大丈夫そうだ
 7.静岡県知事の対応はどうだったのか?
 8.おまけ 埼玉県のお茶のデータの不思議
お茶の問題をフォローしていた方なら、それぞれの局面における話題が思い浮かぶと思います。とてもよくまとめられたと感服しました。

この記事に教えられた農林水産省の記事にリンクしておきます・・・
お茶の放射性セシウムの検出問題への対応等について 更新日:23年6月2日
思いがけない茶葉の汚染という「事象」を考察検討してひとつの「解」を導いた農林水産省の記事は私のような素人にも参考になりますし、同じことを広く農産物に敷延して考えることも、それぞれのご専門の方々なら容易だろうと推察します。“THINK” かつて一世を風靡した IBM のモットーでした。

◇ 農林水産省 お茶生産についてのQ&A 更新日:23年6月9日
Q1 原発事故は、お茶生産に対してどのように影響を及ぼしているのですか。

A1.原発事故により放射性物質が大気中に放出され、茶園にも降下しました。3月下旬以降、空間放射線量は減少し、その後安定化していますが、萌芽期前にあった茶樹は葉に放射性物質を受け止め、4月以降に萌芽した新芽から放射性物質が検出されています。
一部の産地では、食品衛生法上の暫定規制値を上回る放射性セシウムが生葉から検出され、6月2日に原子力災害対策本部による出荷制限が指示されました。

Q2 なぜ、茶葉から放射性セシウムが検出されたのですか。

A2.農林水産省では、茶葉から放射性セシウムが検出されたことを受け、茶葉及び土壌等の分析を行った結果、次のことが明らかになりました。

[1] 越冬した古い葉に含まれる放射性セシウム濃度は、生葉(新芽)と同程度であること(乾物重量で比べた場合)

[2] 土壌中の放射性セシウム濃度は高くなく、かつ表層の浅い部分に存在するため、土壌からの吸収は、あまり考えられないこと

[3] 調査茶園においては、4月10日頃に芽吹き始め、大量の放射性物質が放出された時点では、茶の新芽は出ていないこと

[4] セシウムは、植物の葉面から吸収され、植物体内を移動するとの報告があること。

これらのことから、今回、生葉(新芽)で検出された放射性セシウムは、土壌から吸収されたものはほとんどなく、原発事故以降の放射性セシウムの降下に伴い古い葉に付着したものが葉面から吸収され、植物体内を通じ新芽に移行したものと推定しています。

Q3 今後、どんな管理を行えば、放射性セシウムの濃度を低減させ、 出荷できるようになるのですか。

A3.放射性セシウムの汚染メカニズムについては、土壌中から吸収されたものではなく、古い葉に付着したものが葉面から吸収され、新芽に移行したものと推定されています。また、茶樹の部位別に放射性セシウムの含有量を分析したところ、葉層(葉が展開している部分)での含有量が多く(4割程度)、下の方の枝や根には少ないことが分かりました。
これらのことから、出荷制限等が行われている地域の茶園においては、二番茶の刈取り直後に「深刈り」を行うことにより、茶樹全体の放射性セシウム量を低減させ、来年の一番茶の生産量に支障を来たすことなく、放射性セシウム量を低減できると考えています。(ただし、すでに来年の生産に影響を与えずに「深刈り」が実施可能な時期は過ぎていますので、ご注意下さい。)
なお、茶園の放射性セシウムの低減については、必要に応じて追加的な管理の方針を示す予定です。

Q4 摘採や茶園の管理に使用した農業機械は、どのように洗浄すればよいですか。

A4.摘採機や管理機などの農業機械については、これまでと同様に機械に付着した土、ほこり、葉くずなどを落とすための洗浄を念入りに行って下さい。

Q5 出荷制限等の区域において刈取った茶葉、剪定枝については、どのように対処する必要がありますか。

A5.出荷制限等の区域における茶園の茶葉、剪定枝で、放射性セシウム濃度8,000Bq/kg以下のものについては、一般の廃棄物として、十分に覆土し埋却等を行って下さい。なお、生産ほ場が明らかなものについては、当該ほ場に還元施用できます。
また、8,000Bq/kgを超えると考えられるものについては、県に御相談下さい。

Q6 剪定枝を同じ茶園に埋却した場合、そこに含まれている放射性セシウムが再び茶樹に吸収され、新芽に高濃度に蓄積される可能性はないですか。

A6.剪定枝を生産された茶園に埋却した場合、茶園の放射性セシウム濃度を増加させることとならないので、施用可能と考えています。

Q7 暫定規制値を超えた荒茶や製茶の取扱について教えて下さい。

A7.暫定規制値を超えた荒茶や製茶で、放射性セシウム濃度8,000Bq/kg以下のものについては、一般の廃棄物として、十分な覆土による埋却等を行って下さい。なお、生産ほ場が明らかなものについては、当該ほ場に還元施用できます。
また、8,000Bq/kgを超えるものについては、県に御相談下さい。

Q8 お茶の出荷制限の解除ルールについて教えて下さい。

A8.出荷制限を受けた茶期の次の茶期以降において、解除しようとする区域内から原則として1市町村当たり3か所以上の地点において出荷前の検査を行います。検査の結果、解除しようとする区域内のすべての地域について、放射性セシウム濃度が食品衛生法上の暫定規制値以下となる場合に出荷制限が解除されます。
例えば、一番茶で出荷制限を受けたA市の場合、二番茶の出荷前に、A市内の3か所以上から産出された二番茶の荒茶を検査し、その全てについて、放射性セシウム濃度が暫定規制値以下であれば、出荷制限が解除され、二番茶以降の出荷ができるようになります。
なお、引き続き、解除後も、茶期ごとに検査を実施する必要があります。

JA全農やまなし(全国農業協同組合連合会 山梨県本部) 県内JAのリンク集もあります
山梨県農政部ホームページ
農林水産省-関東農政局
全農(全国農業協同組合連合会)ホームページ

神奈川県 食品中の放射性物質の検査について
長野県 県内産農産物等の放射性物質測定結果
◇ 各地の「道の駅」地産農産物販売所では、このようなデータは掲出されているのでしょうか。
◇ 静岡新聞ニュース 特集・静岡茶

2011.05.12 足柄茶の放射能汚染を想定外にしないために(ブログ記事から抜粋しておきます)

神奈川県の地元紙、神奈川新聞が2011年5月11日に「南足柄産の茶葉から基準値上回る放射性セシウム」と報じたのに続いて、2011年5月12日「足柄茶から規制値上回る放射性物質検出、県が出荷自粛を要請」で詳しく報じています。

『(神奈川)県によると、南足柄市内の茶畑で9日に採取した生葉を県が国の協力を得て2回検査したところ、1キログラム当たり、それぞれ550、570ベクレルの放射性セシウムを検出。放射性ヨウ素は検出されなかった。4月上旬には、生産者から検査を求める声が県に届いていたという。県は規制値を上回る放射性物質が検出されたことについて、「間違いなく(福島第1原発の)事故の影響。地域経済と県民の安心、安全を脅かす問題で非常に遺憾」とし、国や東京電力に対し補償を求めていく考えを示している。』
・・・2011年5月11日 神奈川県記者発表資料 > 県内で生産された農産物の放射能濃度について
・・・神奈川県内市区町村リンク集
・・・南足柄市県内で生産された農産物の放射能濃度について

この件は 2011/05/11 18:46  【共同通信】 「足柄茶」に基準値超のセシウム 神奈川の農産物で初 の記事もあります。これからチェックしたのだと思いますが、香港ドメインの新聞が 2011-05-11 日本神奈川茶葉發現輻射物 と報じている記事が検索でヒットして驚きました。

山梨県 原子力発電所事故を踏まえた農産物の取り扱い及び家畜の飼養管理について(更新日:2011年3月23日)