川崎市長記者会見の記録
給食食材からの放射性物質の検出について
神奈川県川崎市の市長の部屋、「川崎市長の阿部孝夫です」 から抜粋(改行のみ編集)・・・
市民の皆様が住んでいてよかったと思えるまちづくりに取り組みます。
その実現に向けて、
① 医療、福祉、子育て、教育など、人が人を支え、大切な命を尊び育む「人間都市」づくり、
② 暮らしの安全安心や生活環境の快適性の確保に取り組む「安心快適都市」づくり、
③ 地球温暖化対策を進めるとともに、環境、ライフサイエンス分野の研究開発や福祉産業といった産業を育成するなど、国際社会に貢献し、持続的に発展していく「元気都市」づくり、
④ 中小企業支援や、商店街、農業の振興、雇用の確保などに取り組む「安定持続都市」づくり、
⑤ 地域の資源など特徴と強みを活かした魅力が輝く「オンリーワン都市」づくりを進めてまいります。
「市長記者会見 平成24(2012)年9月4日(月) 午後2時」から引用です・・・
(給食食材からの放射性物質の検出について)
司会: ただいまより、定例の市長記者会見を始めさせていただきます。本日は、市政一般となっております。
それでは、幹事社さん、よろしくお願いいたします。
幹事社: よろしくお願いいたします。
市長: 特に私のほうから話題提供はございませんので、どうぞご質問をお願いします。
幹事社: それでは、幹事社から1点質問させていただきます。8月の給食食材検査で、リンゴの缶詰からセシウムが検出されましたが、報道発表がなかった理由は、これは何でしょうか。
*今回、りんご缶詰から放射性セシウム137 が1㎏あたり1.6 ベクレル検出されましたが、9 月に使用する分量は一人
50gでこの量を人体に影響を与える実効線量として換算すると、0.0008 マイクロシーベルト(10 歳児対象)となります。
市長: 報道発表がなかった?
幹事社: 要するに、ホームページだけの公表で、川崎市は常にいろんな形で広報をいただいているんですが、そういう投げ込みがなかったんですけれども、それはどうしてなんでしょうか。
市長: どうしてですかね。教育委員会のほうで、もう前から同じようなことをずっとやっているので、少し手抜きしたかな。
幹事社: では困ると思うんで。
市長: わかりました、それは。別に隠すつもりは全然ありませんので、十分注意しておきます。
幹事社: 親御さんの関心も高いわけで、今後もそういう食材、横浜、鎌倉などでは使用停止の場合もあるんですが、市としてはどのように。
市長: 行政として、安全圏内のものを安全でないという具合に断言することは、影響が大きいので、私はやりません。それは、スーパーマーケットなどにあのレベルよりも高いものが多く出回ってるわけです。ですから、たまたま検査してああいうふうに出たものだけを狙い撃ちするというやり方は、行政としては正しくないと思っています。
例えば、スーパーマーケットに出ているものを放射能もそうですけど、色々調べると、O157菌や、大腸菌など多く出ているわけですよ、もともとね。ですから、そういう危険の中で、人間は生活しているので、正式に安全と断言しているものについて、行政でこれはだめですと差別するというのは逆差別になりますのでね。
幹事社: どうでしょうかね、政府が安全という、安全圏内と言ったと。ただ、そこら辺に対する国民の不満とか……。
市長: やはり程度の問題があると思うのですね。100ベクレル以下ということなので、50とか、70という値が出れば、それは政府が安全と言っていても念のためという判断の材料にはなります。ですから、1キログラム当たり1.幾つで50グラムになると0.00とか、そういうレベルですから、しかも月に1回でしょう。ですから、そのレベルでびくびくするという教育をするほうが間違っていると、私は思います。
幹事社: そうすると、今回の場合も前回もたしか9とか1.3、低いということで大丈夫だろうと。
市長: そういうことです。
幹事社: ただ、そうなってきますと……。
市長: スーパーマーケットなどに、一般に市販されるものと想像で比較して、特に問題にすることのほうが社会的におかしいという判断です。
幹事社: もうすぐ50の私とか、市長とかは、何食べてもいいらしいんですけれども、敏感なお子さんですと。
市長: もちろん、子供にとっては少量でも、心配をする必要があるというのはわかっていますけれども、それを考えてもまだまだ安全というレベルです。
幹事社: 安全。逆に言うと、有毒な3・11以前はなかった毒ですから、それを食べさせることの責任とか、心の痛みとか、そういうのは特にないですか。
市長: それは新しいものというのは次から次に起こっているわけですよ。ですから、今回は原発事故ということで原因がはっきりしているというだけの話で、それを全部原因がはっきりしてないものまで、輸入品の中にだって入っている可能性があるし、それを特定する努力をするかどうかという問題はあるのです。それは、ある程度、推測できるような危険信号が出た場合には、きちんとした調査をする必要があると思うのです。原発関係については、きちんと調査した中での安全圏ですから。ですから、野放しになっているものと比べても、逆に安全度が高いという判断です。
幹事社: そうなってくると、例えば教育委員会は今回使わないという判断しなかったわけですけど、市長、以前から、がれき受け入れで、その基準となっているのは政府の安全基準ということですけど、市長がそういうふうに言っていらっしゃるということ、市教委が例えば停止したくてもできないとか、要するに、食材の使用をですね、そういうことには……。
市長: そういうことは全然関係ありません。そういう判断は入っていません。
幹事社: わかりました。幹事社からは以上です。
記者: では、関連して。先ほど、びくびくするという教育は間違ってるという言葉いただいてますけども、事前に事故前にはなかったような汚染が判明しているものを食べさせるということは、要は、教育現場で大人が子供に見せる姿として、これは正しいんですか。
市長: いや、それは分量の問題と程度の問題ですよ。どんな食べ物にもある程度、菌などがついているのです。ですから、それをみんな調べてやると、要するに、危険度というのは世間一般の常識は、車が道路走っていたら車にぶつかる可能性があるわけですよね。そういう危険度の中で、人間は生活しているのです。だから、そのことを子供たちが知ることが大事なのです。
記者: その危険度を、事前の検査で判明しましたよね。その情報をもって、それでも我々は食べさせますよ。
市長: 全然、赤の他人とすれ違っても刺される可能性だってあるのです。それでは、人とすれ違うなという教育しますか。それと同じでしょう、危険度と言えば。
幹事社: よろしいですか。
記者: どうぞ。
幹事社: 多分、その危険度がわかってるんだったら、そのリスクを下げてほしいというお母さん方が多いんじゃないですか。
市長: もう十分下がっています。安全なところまで下がっているから心配しないでくださいと言っているのです。
幹事社: 多分、そこが納得できないお母さん方が多いんだと思いますけど。
市長: ですから、そんなにびくびくしないでというわけです。
幹事社: なるほど。
市長: 大丈夫です。
幹事社: 意見が分かれるところですね、そこは。
市長: それでは、1回、スーパーマーケットに出ているものを、全て調べてください、自分で。測定器持って行って、どのぐらい出ているか。それで、その結果出てから議論しましょう。
幹事社: 例えば、自分のお孫さんとかが食べるような状況になっても、そういう給食……。
市長: もちろんその程度で。
幹事社: 食べさせる?
市長: 食べさせます。
幹事社: わかりました。
市長: ですから、不確実なおそれに対してびくびくして行政をやるというのは正しいことではありません。
2012.09.22 ブログ-「びくびくして行政をやるというのは正し いことではありません」
2012.10.15 川崎市サイトは2012年10月に再構築されて、給食食材のデータ8月測定分は「学校給食に使用する食材の放射能濃度検査結果(9月19日更新)平成24年9月使用分」に掲載されています。