新型コロナウイルス感染症対策(7月31日迄延長)

新型コロナウイルス感染症対策について

知事記者会見(令和2年7月8日水曜日) 新型コロナウイルス感染症対策について
 まずは、感染症防止にかかる協力要請であります。山梨県におきましては、これまで感染症予防に関しまして、新型インフルエンザ等対策特別措置法第24条9項に基づきまして、県民の皆様及び事業所の皆様に対しまして協力の要請をしているところでありますが、この要請期間が7月9日までとなっておりますので、昨今の本県あるいは近隣の感染状況を踏まえまして、この要請を7月31日まで延長したいと考えております。

 山梨県におきましては、新規患者の発生が散発はしておりますが、比較的落ち着いている状態であります。発生状況には特色があり、感染経路が不明であるものがほとんどであるということです。したがって、市中感染の可能性があるということで、県民の皆様におかれましては、基本的な感染防止のための行動を引き続き徹底をしていただきたく思います。

 感染経路が不明ということは、点で終わっていて連鎖していないということも言えるかと思います。これは、県民の皆様の御努力に加えまして、各事業所の皆様が感染予防対策を講じていただき、休業要請の対象となっている業種の皆様におかれましては、個別解除のための算段を講じていただいていることが成果に繋がっているのではないかと思っております。

 東京におきまして連日100人を超える感染者が発生している中で、千葉県、神奈川県、埼玉県では東京由来の感染者が増えていると報道がされております。山梨県も東京都と近いので、いずれこの波が押し寄せてくることは避けられないと思っておりますので、こういったことも踏まえまして、協力要請の期間を7月31日まで延長させていただきたいと思います。

 御理解をいただくとともに、引き続きしっかりとした感染予防に向けた行動をお願い致します。

 次に、その一環と致しまして先般来取り組んでおりますグリーン・ゾーン構想の認証マークが決定しましたので、御紹介致します。

 (マークを示して)これが新たにできたもので、色彩はグリーンを基調と致しまして、グリーン、あるいはグッドに繋がるGの文字をアイキャッチとして左側に配置致しまして、右側にはQRコードを表示しております。このQRコードは、利用者の皆様が、施設の感染予防策を参照するためのもので、これを大きく配置して、安心と信頼の象徴としております。

 背景画像には富士山を織り込んでおりますが、この運動は山梨だけではなく、本来あらゆる地域で行っていくべきものであると私は思っておりますので、各地それぞれで、ご当地ナンバーのような工夫をして使えるように、考えて作っております。

 昨日までに70件を超える申請をいただいておりまして、今後しっかり現地調査をした上で、この認証マークを付与していくことになりますのでよろしくお願い致します。

 3点目でありますが、接触確認アプリの本県での活用のあり方についてであります。新型コロナウイルス接触確認アプリが、6月19日から全国で運用が開始されております。本県におきましては、早期発見早期治療の観点から、このアプリで、陽性者との接触が確認できた場合には、症状の有無にかかわらず、全員にPCR検査を実施できるようにしていきたいと考えております。

 全国的な対応では、接触確認の通知があった場合に、身近な方に有症状者がなしの場合は、2週間の健康観察をしてくださいという表示が出るものですが、山梨県におきましては、この接触確認通知があった全ての方に、是非保健所に連絡を取っていただき、この接触確認アプリの通知があったとおっしゃっていただければ、ご本人の症状の有無にかかわらず、全員、PCR検査を受けていただくことにしていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。(モニターに表示しているものと)実際のアプリは違う表示が出ますが、アプリに接触確認の通知があった方は、速やかに、ぜひ、保健所にご一報いただくよう、お願いを申し上げます。新型コロナウイルス感染症に関する対応につきましては以上であります。
記者  今回、休業要請を3週間延長したことは、東京都の状況を警戒していることが理由の一つにあるかと思うのですが、その一方で、往来の自粛まで踏み込まなかった理由についてお聞かせください。
知事
 現状、山梨県におきましては、新型コロナウイルスに感染されて入院が続いている方はおりませんので、県内の状況を踏まえれば、往来の自粛要請まで行う段階にはないと私は考えています。
記者  政府の当初の予定だと8月1日以降に移行期間が終了して、通常に戻す予定だと思うのですが、現状、知事の考えとして1日以降は、通常に戻すとお考えでしょうか。
知事
 常々申し上げておりますが、感染症に強い、いわゆる超感染症社会、そのような社会に山梨県全体で移行に脱皮すべきだと考えております。ですので、この感染症防止に対する取り組みというものは、永続していかなければならないと思っています。今回の新型コロナウイルスもこの夏の湿気の中でも、依然猛威を振るっており、8月1日からコロナウイルスが消えてなくなることは想像できませんので、まず、それぞれの事業所において感染予防対策をしっかりできる形に移行していくことが必要だと考えています。
記者  お墨付きの認証制度も現在、受け付けが始まっていますが、しばらく個別解除とお墨付きの認証制度は両立して行くことになるのでしょうか。
知事
 基本的には状況を見ながらになりますが、まだ感染症が続いている状況で、休業要請を解除することは、ガイドラインに基づく注意行動も必要ないというメッセージを出すことになりかねないので、まさに併存をさせていくということも十分視野に入れて、今後の状況を見守っていく必要があろうと思います。
記者  当初は規制的思考から支援の思考に徐々に移行していくとおっしゃっていましたが、それは、全国的な感染状況が収まってから行うのでしょうか。
知事
 グリーン・ゾーンの認証制度は、すごく難しそうなイメージがありますが、実はそうではなく「こういう基本的なことをやればいいんだ」「これだったら取りやすい」という理解が広まり、この認証を取れば「こんなにいいことがある」と考えてもらえると思います。県の支援はそこに集中し、しっかり認証を取ったところが、商売もうまくいくというメカニズムを作っております。このメカニズムが実際回っているということを実感していただき、多くの事業者の皆さんが、この認証制度を取ろうということになれば、おそらくその個別解除の議論というのは使命が終わると思います。
記者  あと認証制度でとりあえずマークが決まったと思うのですが、これを取ることによってのメリットについてと、制度設計について教えてください。
知事
 6月の補正予算でかなり大規模に盛り込んでおりますが、例えば旅行でしたら、グリーン・ゾーン認証を取った宿泊施設に行くことが条件になっていたりしています。このように6月補正予算、あるいはその前の予算で通した観光振興キャンペーンはじめ、諸々がこのグリーン・ゾーン認証を取ったところに、より広く適用されることになりますので、このようなこともぜひ世の中にお伝えいただければありがたいと思います。
記者  グリーン・ゾーン認証制度のことで、先ほど昨日までに70件を超える申請があったということですが、知事として70という数字はどういうふうに受けとめていらっしゃいますか。
知事
 さらなるPRが必要だろうと思います。また、認証の取得に向けて、不必要な恐れというか、何か難しそうだというようなイメージを払拭していきたいと思います。またそれに向けて、こんな補助金がありますとか、こういうサポートがありますということを知っていただきたいと思います。また、先ほど申し上げましたように、これを取るとこんなに優遇されるのですか、こんないいことがあるのですねということをわかっていただきたいと思います。そういう情報を伝達する機会をこれからしっかり数多くつくって、より多くの皆様にご理解をいただき、その上で、この認証取得に向けて手続きを進めていただくようにしていきたいと思います。
記者  グリーン・ゾーン認証制度で、これはQRコードを読み取ったあと、確か当初の説明だと利用者の方が評価していく仕組みがあったが。
知事
 それは、検討中です。今、一生懸命議論しているところで、その利用者が自ら評価できるような形でのシステムはどうあるべきか、どのように作っていくのか、今、こういったことを議論している最中です。
記者  それはいつ頃には。
知事
 なるべく早く。まずは認証をとって、実際訪れた方がここは大丈夫だと分かっていただくことが大事なので、できるところから、早くステップを進めていきたいと思っています。
記者  協力要請について、グリーン・ゾーンの認証の方に移行していくというお話しでしたが、ただ一方で対象になっている施設、8つの種類がありますが、大半がそのグリーン・ゾーンの認証の対象になっていないところです。これについては、先ほどの話だとこの協力要請が無くなると何でもオッケーになってしまうという、発言もあったと思うのですけれども、引き続き8月以降も協力要請を行っていくという考えなのでしょうか。
知事
 そこも状況を見ながらだと思います。グリーン・ゾーン認証の対象を順次広げていくつもりですし、それが広がって、そちらに移行できれば一番良い。そうでない場合に関しても、何をどのようにするかは、これから感染状況を見ながら考えていかなければいけません。
記者  先ほどの発言の中で、現状だと往来の自粛を呼び掛けるまではないというお話しでしたが、こういう状況になれば、再び往来の自粛を呼び掛けなければならないという、基準というのはあるのでしょうか。
知事
 往来をストップさせるべきだ、そうでなければ山梨県内における感染の拡大を防げないという専門家の意見があれば沿いたいとは思っています。今日も話をしましたが、今はそこまでの必要性はないという状態ですし、基本的に山梨県内はおかげさまをもちまして、感染抑制が相当程度効いており、感染が連鎖していないので、往来の自粛とか休業とか、そういった要請は最小限であるべきだと考えています。そういう意味では、現状の取り組みのもとでの更なる自粛要請というものは必要ないと思っています。
記者  グリーン・ゾーン認証マークですが、当初、ヨゲンノトリ的なものがあって、県議会の先生からもちょっといろいろ言われたからかもしれませんが、これに決まった理由は何かあるのですか。
知事
 様々な議論があって、だいぶ紛糾したのですが、ヨゲンノトリを載せるべきじゃないかというアイデアもあれば、あるいは道祖神が、疫病を集落に入れないためのものであるという意見もあったりしました。私たちの思いとしては、これを山梨だけでやっていても、最終的には意味が無いので、より多くの地域で同じようなことを、できれば同じ水準の取り組みが広まれば良いなと思っていまして、そういう意味で、ここは富士山を載せていますが、各自ローカル色を出せるような、そういう思いもあり、最終的にあまり山梨色が強く出ないような、だけど山梨だとわかるような、こういうデザインを今回採用しました。審美的な観点でいうと、県立美術館の館長である青柳先生からも最終的にこれが良いという意見もいただいていますし、職員についても男性、女性どちらからも好感度が高かったのでこれでいこうとことになりました。
記者  まずグリーン・ゾーン認証制度についてですが、何度も全国的に広がっていくことを望んでいるということをおっしゃっていたと思うのですが、現状、これに類するものや、グリーン・ゾーン認証マークを使いたいという打診があったら教えてください。
知事
 今、石川県の加賀市さんがご関心を持ってくださっていますが、やるかどうかはまだお決めになってないようです。今後、こういう取り組みを、各地に、山梨県と交流のあるところを中心に、まずはお話をして広めていきたいと思いますし、また、デザインはこれでなくてもいいのですけども、ユーザー側から、いわゆる旅行される方、あるいはその代理となっている旅行会社の方からもこういう取り組みを進めていこうではないかという動きが盛り上がることで、皆さんにお使いいただくような、そういうインフラになるように我々も力を入れていきたいと思っています。
記者  接触確認アプリの活用について、県独自でより多くの方が検査を受けられるようにする取り組みだと思うのですけども、もう一度、どういう狙いがあって、県で独自で範囲を広げたかということを説明していただきたい。
知事
 もともと山梨県では、PCR検査に関して早期発見・早期治療という大方針を掲げていて、保健所への相談基準を37度5分、4日間というものをかなり早い段階で撤廃しており、ちょっと熱があって、味覚異常とか、異常があると感じた場合は、すぐに保健所にご相談くださいと、もともとこういうスタンスをとっております。実際に患者さんが発生した場合でも、濃厚接触者はもちろんのこと、必要に応じて、その周りの接触者までPCR検査を受けていただくこともやっているわけですので、今回、この接触確認アプリに対する向き合い方としても、いわゆる濃厚接触に近い接触確認があったということで連絡が来るわけですので、山梨県としては検査を受けていただきたいと思います。受けていただくことを強く勧めたいということで基準を変えている訳です。我々の目から見ると国の基準のあり方の方がちょっと中途半端で、本来であれば1メートル以内15分という至近距離にいた方が通常受けるので、山梨県は、その当たり前のことをやっていこうじゃないかと思っています。
記者  これによって、検査数というか、検査を受けられる範囲は広がるということでいいのですか。それとも、拡大するという表現なのでしょうか。
知事
 はい。実際、保健所が入った場合の濃厚接触者の確認の際も、例えば、同じような条件でもマスクをしていれば濃厚接触ではないという判断になることがあるわけですけども、せっかくこういうアプリができているわけですので、我々としてはなるべく幅広に活用したいと考えています。保健所に相談していただいていても、実際には例えば、厳重にマスクをしていて、フェイスシールドまでしていましたとか、いろんなことがあろうかと思いますけども、そこまであなたがやっていればPCR検査を受けるまでもないですねという保健所の判断はあり得るとは思いますが、ちょっとでも不安があれば、我々はそのPCR検査に関わっていただく機会というものはしっかり用意をして、受けていただく形にしていきたいと思っています。これはどこまで広がるかわかりませんが、本当に使えるものだとわかれば、このアプリに対する関心というのが広まって、このアプリに多くの人が参加していただくことが、地域社会、あるいは全国の感染症の拡大防止にとって極めて有効でありますので、そういう利用促進策の一環という意味も持っております。
記者  前回の協力要請の時にプロスポーツの文言が入ったと思うのですが、今回、協力要請にはプロスポーツに関して特に何もないのですけど、これはもう県内においても全面的に解除ということになるのでしょうか。
局長
 それは後で詳細にご説明をさせていただきますが、国のステップスリーの段階に沿った形でプロスポーツだけ無観客だということではないものですから、一律にイベントの開催として、協力要請の中で整理をさせていただいております。
記者  わかりました。別件で、この認証マークは、誰がデザインされたのですか。
企画監
 産業技術センターにデザイン技術部というところがございまして、デザインを専門としている職員がいます。その職員が原案を作成し、先ほど知事が申し上げたように、専門家のご意見もいただく中で決定して参りました。
記者  接触確認アプリについてですけれども、確かに県の体制としてはPCR体制が整ってきていると思うのですけど、結局受けるのは自発的な行動に委ねられていて、その周知の方法というのは、ホームページに載せるとかそういう方向になるのでしょうか。
知事
 あらゆる手段でやりたいと思います。
課長  特定多数の方が利用する施設に特に呼びかけるということが大切だと思っていますので、公共交通機関や、その他、人が集まるところに、集中的に呼びかけて参りたいと思っています。その他、ガイドラインの作成施設についても、これはもともとリスクがある施設ということで休業をお願いした施設でございますので、そういった施設にも広く周知をしていきたいというふうに思っています。
知事
 名実ともに、ご自身を守るためのアプリであるべきだと思いますし、またその上で、社会を守る機能を十分に発揮できるように、我々地方としても、このアプリを活用し、我々のできる範囲の中で、最大限進めていくよう取り組んでいきたいと思います。
記者  小池都知事が再選されましたけれども、先月末に知事は都庁に行かれて、お話して、連携、連携会議、協議会の設置で合意されたと思います。再選されたことについての受け止めと、今後、都県の連携のビジョンを教えてください。
知事
 はい。まずは小池知事が圧倒的な票を持ちまして、再選されたことに心からお祝いを申し上げます。また、小池知事は、山梨県との関係を大切に思ってくださっておられますので、今回の再選は山梨県にとってもありがたいことだと思っています。そういう中で、先月の会談において設立することになりました連携会議については、今後、様々な点についてやっていきたいと思ってはおりますが、短期的な話から中長期的な話まで話題は多岐にのぼろうかと思います。短期的な話でいうと感染症予防問題についてしっかり連携を考えていきたいと思います。特に東京都さんも、CDC、感染症に対する専門組織を作られるという話をされていますので、山梨県が作る組織との連携関係とか、そういうことは早いうちから相談させていただいて、よりしっかりとした感染予防、感染拡大防止対策ができるように体制を作っていきたいと思います。また、観光キャンペーンは、もう少し感染状況が落ち着いたところで展開するべく、今のうちからしっかり準備、弾込めをしておきたいと思います。また、山梨県と東京都は同じ川の流域にありますので、この川の水環境、あるいはその川の周辺環境に対して、ある意味運命共同体だと思っています。そういう中で、我々が運命を共にしているこの川をどう守っていくのか。次世代に繋いでいくのか、そういう取り組みも骨太の議論をしたいと思います。そのほか5Gですとか様々な課題がありますので、連携会議のもとに、より密接に、東京都さんと協力をして、東京都民そして山梨県民の明るい未来のために力を合わせていきたいと思います。
記者  今ちょうどお話が出たので、この機会にお伺いしたいのですがCDCの件なのですけども、以前全国知事会のオンラインの会議の時に、知事が全国の知事に、共同CDCを共同設置しましょうというようなことを呼びかけたかと記憶しているのですが、その具体的なイメージ、共同設置について、どういうイメージを知事としてお持ちになられているのかというのをお伺いできますか。
知事
 知事会で申し上げた共同設置はほとんど葬り去られてしまったような印象を持っていますので、その時のイメージを言っても、もう詮ないことかもしれません。あの時は、各県それぞれリソース、資源を持ち寄って、地方版のそういう対策機関をつくれば、それぞれの県が狭い範囲の中でいろいろやるよりは、より実効性のあるものになるのではないかという考えでした。特に国と違って、地方の場合は実際に例えば休業要請ですとか、協力要請ですとか様々な現場の権限を持っておりますので、その権限の行使にあたって、どうしてもある意味、二次情報三次情報だけで向き合うというのは、不安があるわけであります。なるべくダイレクトに近いところから情報を取って、もちろん政府から来る情報とも照らし合わせて、しっかり意見交換して、より適切な対策をとるためにはこういう専門組織が必要でありますし、それは全都道府県共通なので、そういう意味でそれぞれ持ち寄って何か一つのものを作ったらいいと思っていました。ただ現状はそういう動きにはなってないので、山梨県は山梨県だけで、できる限りのことをやろうということです。ですが、ここに来て東京都が同様のものを作られるということは、僕ら山梨県にとってもありがたい話ですので、情報を共有し、意見交換をさせていただくような場があれば、山梨県単独でやるよりもはるかに有意義な対策を講じることもできるだろうと思いますので、今回のご質問からはちょっとずれますけれども小池知事が、東京版CDCを作られるということに対しては最大限の敬意を表する次第であります。

記者  リニア中央新幹線について伺います。
 静岡県の川勝知事とJR東海の金子社長の会談が物別れに終わりまして、JR東海としては2027年、令和9年の開業は難しいというコメントを発表しました。
それに関連しまして、会談の中で川勝知事が、品川と甲府を先に通したらどうかということを提案されていまして、身延線で静岡に出て静岡から東海道新幹線で帰れば富士山一周の旅になるということで、川勝知事は、前からそれをおっしゃっていて、山梨県でも横内知事は、それに同意したり、自分の言葉で、オリンピックまでに甲府まで通して欲しいということもおっしゃっていたようですけれども、今この状況下で知事はどのようにお考えでしょうか。
知事
 大変多くの関係者の皆さんが、ものすごい努力を行っている最中でありますので、私としては、東京から名古屋、そしてその先の大阪までの開通が、予定どおり、スケジュールどおりに開業されることを強く期待をしています。
 リニアで甲府まで来て、そこから身延線に乗って静岡へ行って、そこから東海道新幹線でぐるっと回るというのは、大変面白いアイデアですが、これと2027年の開業は全くバッティングしないわけであります。ぜひリニアが通った暁には、多くの方にリニアで甲府まできていただいて、東京から甲府にやってくる、あるいは名古屋から甲府にやってきていただいて、身延線に乗っていただいて、美しい渓谷美をご覧になりながら静岡まで旅をしていただければありがたいと思います。
 なお今、JR東海さんと静岡県さんでいろいろ議論をしているわけですが、状況を見ると、当事者間で若干疑心暗鬼になっているような状況という印象を受けています。JR東海と静岡県、川勝知事をはじめ流域の皆さんとの信頼関係の構築が出発点であろうと思います。ここは、しっかり国に出てきていただいて、その間に立っていただけるといいんじゃないかなと思います。またそれに関連して、私どもができることは、しっかり貢献をしていきたいと思っています。
記者  今、リニアの話が出たので。今夜、大臣にお会いになる予定があるかと思いますが、その際に、直接担当している国土交通大臣に、このリニア問題について何らか発言をされる、または要請される、あるいは私が間に入るとおっしゃったりするのでしょうか。
知事
 今日の要望の主旨は、国土強靱化とそのための予算の総額確保です。これは骨太方針あるいは概算要求基準を前に、我々にとっては極めて重要なテーマであって、まさに担当している政府与党の皆さんに、地方の切実な声をお届けするのが主目的ですので、まずはここに注力したいと思います。話がそこまで及んだら、今申し上げたようなことを沿線自治体として話をしていきたいと思います。
記者  リニア関連です。2027年の開業ができなくなると、山梨県にはどのような影響があると認識されていますか。また、それに対してどのような対応をしていきたいと考えているのかお伺いできますか。
知事
 2027年にリニアが全線開通しないと、山梨県としては決していい影響にはならないと思います。例えば私どもが今まさに現在進行形で力を入れている二拠点居住の推進ですとか、あるいは山梨県内をテストベットにして、例えば燃料電池ですとか、こういうものを産業集積させようということについては期待していた大きな効果がそげ落ちてしまうという点で心配はしています。ただ、いかなる事態になっても山梨県は存在し続けるので、しっかりと、我々が目指す県土像に向けて、その状況の中でのベストを尽くしていきたいと思います。