山梨県で感染者死去(2020.05.24)

山梨県で初めて感染者が死去(甲府市民)

【感染症患者の死亡について】※令和2年5月25日甲府市公表
【概要】
(1)年代:ご遺族の意向により非公表(高齢者)
(2)性別:女性
(3)居住地:甲府市
(4)基礎疾患:特になし
【経過】
5月24日(日)死亡確認                          
報道記録
新型コロナ 甲府で県内初の死者(05月25日 17時20分 NHK甲府放送局)
甲府市は新型コロナウイルスへの感染が確認されていた市内に住む高齢の女性が、24日夜、死亡したと発表しました。
県内ではこれまでに60人の感染が確認されていますが、死亡したのは今回が初めてです。
これは甲府市の樋口雄一市長が記者会見で明らかにしました。
それによりますと、死亡したのは甲府市内に住む高齢の女性です。
女性は先月、せきや発熱などの症状があり、その後、PCR検査で陽性が確認され、県内の医療機関に入院していました。
当初は重症ではないと診断されましたが、入院中に症状が悪化し、集中治療室で治療が続けられていましたが、24日夜、新型コロナウイルスが原因の肺炎で亡くなりました。
女性に持病はなかったということです。
県内ではこれまでに60人の感染が確認されていますが、死亡したのは今回が初めてです。
一方、甲府市はこの女性の性別以外の年代や行動歴などについて非公表としました。 これについて、樋口市長は「遺族と話し合い、ひとつひとつの情報を記録している人がいたら人物が特定されると思った。人権を侵害するひぼう中傷が出てきているので、そういうことにつながらないよう判断した」と説明しました。
【他紙に書かれていない内容なので樋口市長の記者会見ページでご発言が確認できたら画像は外します。】
市長記者会見・NHK映像
感染し入院中 死亡確認は山梨県内初 甲府市の高齢女性 新型コロナ肺炎で死亡(2020.05.25 19:30 UTY)
山梨県甲府市は、新型コロナウイルスに感染し入院していた市内の高齢の女性が死亡したと発表しました。
山梨県内で感染者の死亡が確認されたのは初めてです。
甲府市によりますと亡くなったのは市内に住む高齢の女性です。
女性は4月、せきや発熱の症状が現れ、その後、新型コロナウイルスへの感染が確認され県内の感染症指定医療機関に入院していました。
当初、症状は重くなかったということですが徐々に状態が悪化し5月24日新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなったということです。
基礎疾患は特にありませんでした。
市は女性が何例目に感染が確認された患者なのかや年代などの情報ついて遺族の意向として明らかにしていません。
県内で新型コロナウイルスへの感染が確認された人が死亡したのは初めてです。
新型コロナで県内初の死者(2020.05.25 19:33 YBS)
甲府市は25日、新型コロナウイルスに感染し、入院中だった女性が亡くなったと発表した。県内で新型ウイルス感染者が亡くなったのは初めて。
 甲府市によると、亡くなったのは市内に住む高齢の女性。女性は先月、新型ウイルスの症状があり、感染が確認された。県内の感染症指定医療機関に入院していたが24日夜、肺炎により死亡が確認された。
 女性に基礎疾患はなく、感染当初は重症ではなかったが重症化したという。亡くなった女性の年齢など詳しい情報について甲府市は「遺族の意向」として明らかにしない。
発表内容
 昨日(5月24日)、新型コロナウイルス感染症に感染され、感染症指定医療機関に入院されておられた、甲府市に居住されている高齢者の女性の方がお亡くなりになられました。
県内で感染が確認された方で、お亡くなりになられた方は、初めての事例となります。

この方は、4月に発症し、その後PCR検査で陽性が確認されたため、県内の感染症指定医療機関に入院をされておりました。状態につきましては、特に基礎疾患はなく、当初、重症ではないとお聞きしておりましたが、入院されて以降、徐々に症状が重症化され、昨日、新型コロナウイルス感染症による肺炎でお亡くなりになられました。
私といたしましても、すべての患者様の1日も早い回復を願っておりましたけれども、このたび、この訃報に接し、大変残念に思っております。謹んで、哀悼の意を表したいと思います。

なお、これ以上の詳細な内容につきましては、ご遺族の方との話し合いの結果、公表は、差し控えさせていただきたいというふうに考えております。
報道関係者の皆さまにおかれましても、それぞれお立場はあると思いますけれども、何卒、ご遺族の方のご意向、また、ご遺族の方の胸中をお察しいただき、ご理解とご配慮いただきますようお願い申し上げます。

これまで、市民の皆様、事業者の皆様にご協力をいただきながら感染拡大防止に一定の成果が得られてきているところに感謝を申し上げます。また、特に、医療現場の最前線におきまして、献身的に従事されている医療関係者の皆様方には、改めて心から感謝を申し上げ敬意を表する次第であります。
感染患者数は、5月に入り、市内をはじめ県内での感染患者の発生は散発的ではありますが、経路不明の方の事例もあります。
また、国内外の感染拡大の第2波などが予測されるなど、まだまだ予断を許さない状況にあります。

今回のお亡くなりになられた方の事例を踏まえまして、お亡くなりになられた方が、重症化しやすいと言われている高齢者の方ということもあり、今後におきましても、継続して、感染しないための行動、うつさないための行動を甲府市全体で、再度確認し徹底することが、改めて重要であることを再認識したところであります。
市民の皆様におかれましては、ここで決して気を緩めることなく、引き続きまして、手洗い、咳エチケットの徹底などのほか、3つの密(密閉・密集・密接)を避けていただく行動、会話や会議など人がいる場所においては、お一人お一人が距離をとっていただくことを意識するなど、日常生活における感染の予防のお願いを再度させていただきたいと思います。

以上でございます。
(記者)  こういう発表の仕方はだめだと思いますね。やはりどなたが亡くなったか、どういう経緯で亡くなったかということはちゃんとお知らせいただかないといけないと思います。何例目の方が亡くなったのでしょうか。
(市長)
 甲府市での発表でございますので、特定されるということを非常に危惧しておりまして、そのことにつきましてご家族の方のご意向というものを一番に配慮させていただき、こういう発表をさせていただきました。
(記者)  高齢者はほかにもいらっしゃいますので、その方にとっては風評被害になるし、ただ誰かが亡くなりましたという記者会見では、“ご冥福をお祈りいたします。気を付けましょう”というのではまったく意味がないと思います。何例目の方ですか。
(福祉保健部長)
 先ほど市長さんからもお話がございましたように、特定されますので、県内何例目という公表をこれまでしてまいりましたけれども、今回は差し控えさせていただきたいと思います。今回の公表は、どの患者さんがお亡くなりになられたかということが問題ではなくて、高齢者の方が感染するとリスクが高いと。たまたま今回の方は基礎疾患がございませんでしたけれども、そういう方々が、感染リスクが高いので、皆さん方これまでもそうであったように、これからもしっかりと感染予防は徹底していただきたい、という注意喚起をするための公表でございますので、県内何例目かにつきましては、繰り返しになりますが公表は差し控えさせていただきます。
(記者)  甲府市の感染者の方で、高齢者の方は何名いらっしゃいますか。
(福祉保健部長)
 これまで公表した中でということですか。
(記者) はい。
(福祉保健部長)
 5名ですね。
(記者)  高齢者って何歳以上ですか。
(福祉保健部長)
 一般的には65歳以上です。
(記者)  ご遺族の方の気持ちはもちろん、心情は察しなければいけないのかもしれないですけれども、遺族の方と調整というか、情報はどこまで出していいのかということに関しては、これは市の方としては、どこまで出していいというふうにご遺族の方と話をされたのか、その辺を明していただけないでしょうか。
(市長)
 山梨県で60例、甲府で何例ということがございますので、そこから今のやりとりでもございましたけれども、“特定をされない”というところが一番のポイントだというふうに思っておりまして、そのことについて、ご遺族の方と話し合いをさせていただき、そのご意向を確認したところであります。
(記者)  今まで何例目というのを発表するときに、もちろん個人情報が特定されない形で市の方で発表されてきたと思うんですよ。そこに則っていけば、その情報を出すということがなぜ個人情報の特定になるのか、ちょっとわかりにくいのかなと思うのですが。
(福祉保健部長)
 県内ではたしかに60例これまで確認されています。甲府市が公表した事例は先ほどお答したとおりですけれども、15例です。そのうち高齢者が5例です。これまで確かに県内何例目ということで発表してまいりましたけれども、今回はご遺族の意向も当然あるわけですが、それ以上踏み込んだ公表をしてしまいますと特定される恐れがあるということを、ご遺族が非常に心配されておりました。なので、私どもとしてもそれ以上踏み込まずに、今回お配りさせていただきましたペーパー以上の内容は非公表とさせていただくということで、ご理解いただきたいと思います。
(記者)  ご遺族がそうやって心配されるのはそのご遺族の気持ちだからそうなのかなと思うのですが、結局今まで発表してきたことを発表しなくなってしまうということになると、今後新しく(感染者が)発生した場合に、それがまた情報を抑制することにつながってくるような気がするわけですよね、我々としては。
(市長)
 今までもそうでありましたけれども、個人情報に留意をしながら、最大限市民の皆さまの安全安心、健康リスクを考慮したうえで、できる限りの情報を公開していきたい、発表していきたいと思っております。ただし、中には風評被害ということで、すでにそういう問題が表に出ていることもございますので、ご遺族からの大きな不安の一つとして、自分たちが特定されてしまうということを、私どもも重く受け止めさせていただきまして、今回はここまでの発表にさせていただいたいということでございます。これから、市民の皆さまの健康あるいは感染拡大予防という観点を鑑みまして、できる限り今までと同じようなことはしていきたいと思っております。
(記者)  これは要望になってしまうのですが、ここで市の方が、情報の出し方を、遺族の方を説得するような形で、“今までこのような形で出してきたんだから個人情報は特定されないよ”ということをうまく説得しながら、ぜひ今までと同じような情報を提供していただくようにお願いしたいと思いますけれども、それを踏まえて、この方は基礎疾患がなくて急激に症状が悪くなっていったということですが、経緯に関してはもう少し詳しく情報を出していただけないでしょうか。
(保健所長)
 当初、重症ではないというふうな医療機関からの情報でございましたけれども、何週間か経つうちに、折々に、少し具合が悪くなったようだ、酸素を使っているようだ、人口呼吸器になったようだということで、徐々に悪化をしていったとお聞きしております。ICUにも入っておられたということです。
(記者)  だんだんイメージが湧いてきたところもあるんですけれども、例えば入院して、発症後何日目で症状が悪化したとか、入院して何日目で症状が悪化したとか、そういう情報はどうでしょうか。
(保健所長)
 折々には確認しておりますけれども、ここで詳細に公表することは差し控えさせていただきます。
(記者)  先ほどの話で、情報を出すことの何が目的なのかという、“急激に症状が悪化する”、“気を付けてください”というメッセージを出したいということだと思うので、その辺は情報を出されてもいいのではないかと思うのですが。
(保健所長)
 改めまして、先ほど市長も申し上げましたように、徐々に状態が悪くなったということで、詳細については今申し上げましたように、酸素を使いはじめ、次に人工呼吸器になり、ICUにも入りということで悪化していったということでございます。
(記者)  人工呼吸器、酸素のところまではあれなんですけど、例えばエクモとかあの辺は使われているのでしょうか。
(保健所長)
 それは聞いておりません。
(記者)  もう少し症状の方を。個人情報を制限したわけなので、そこで線を引いてしまえば症状を言った場合でも特定されることはまずあり得ないと思うので、もし注意喚起というところを重視した個人情報の制限であれば、症状、医療のお話をもう少し具体的に話すべきではないかと思いますので、入院の期間だったり、具体的な容態の変化、どんな症状があってどのように波というか、落ち着いたり悪化していったのか、その辺の情報をもう少しいただけると。公開するべきではないかと思います。
(保健所長)
 ご指摘ありがとうございます。この患者さんは先ほども申し上げました通り、当初は重症ではないという状況でしたけれども、高齢のため、少しずつ悪化していったということで、当初重症ではなくても、経過をみるうちに悪化していく場合もあるということが、私たちの教訓になると考えております。
(記者)  悪化というのは何が悪化というのか、例えば熱がかなり上がるとか、どのようなイメージですか
(保健所長)
 この方の場合には、肺炎の症状が重症化していったというふうに理解しております。
(記者)  発症のときにも、肺炎の症状はあったということですか。
(保健所長)
 肺炎の症状はあったと思います。
(記者)  それが悪化していったと。ICUというのは、これは最後という言い方はちょっとあれですけど、お亡くなりになる前、何日かはICUに。
(保健所長)
 何日間かというのは確認しておりません。しばらくの間ということです。
(記者)  今横文字のいろいろな薬が出てきておりますけれども、何か治療薬を投与したというのは。
(保健所長)
 治療薬については、詳細な点は確認が取れておりません。
(記者)  確認が取れていないというのは、病院の方に聞いていないということですか。
(保健所長)
 はい、確認しておりません。
(記者)  入院の期間というのはどれくらいだったのでしょうか。
(保健所長)
 4月以降に入院した患者さんですので。詳細に申し上げると、申し訳ありませんが特定されてしまいますので。
(記者)  2週間以上というのは間違いないですか。
(保健所長)
 4月に発症ということで。
(記者)  4月に発症して、PCR検査で陽性となったのも4月でよろしいでしょうか。
(保健所長)
 4月以降です。
(記者)  症状が出始めてPCR検査を受けたのも4月以降ということですね。先ほどの質問とも重なるんですけれども、個人情報というのはわかるのですが、それ以上に保健所というのは公衆衛生を担っていると思うので、多くの方の感染を防止するというのが第一だと思います。その中で、どういう経緯で感染されたのか、例えば“高齢だから高齢者は気を付けてください”だけでは不十分だと思います。やはりその中では感染の状況がわかるように、何例目かはきちんと公表すべきだと思いますがいかがでしょうか。
(保健所長)
 再度申し上げます。何例目かは申し上げられませんけれども、これからわかることは市中感染であること。これだけ東京をはじめ首都圏で感染が拡大していた時期に感染したと思われること、東京と甲府で行き来がたくさんあることを考えますと、どのような状況下でも、誰でも感染する可能性があるということで、先ほど市長が申し上げました、手洗い、咳エチケット、3密を避ける行動、距離を取っていただく行動、これをこれからもぜひ徹底していただきたいと考えております。
(記者)  確認ですが、この方は、コロナに感染したことによって肺炎を発症して亡くなったという理解でよろしいでしょうか。
(保健所長)
 はい。そのように考えております。
(記者)  この方の場合は症状が徐々に重くなっていったということがあるので、途中でもう一度PCR検査を何回かやったとか、そういうことはなかったのでしょうか。
(保健所長)
 途中で検査をしたとは聞いておりません。
(記者)  確認ですが、4月に症状が出て要請が確認されたと。その後ずっと入院していたということでよろしいですか。感染症指定医療機関に。
(保健所長)
 感染症医療機関にずっと入院しておられました。
(記者)  遺族の意向は、一番は個人が特定することを避けてほしいという要望か、どういう意向が具体的にあったのでしょうか。
(保健所長)
 この公表から、“どの方が亡くなられた方にあたるかということが特定されないようにしてほしい”という意向です。
(記者)  その“特定されないようにしてほしい”という理由はなぜでしょうか。
(保健所長)
 それはわかりません。
(記者)  それは、聞いていないということですか。
(保健所長)
 はい。
(記者)  実際に、何例目かで何十代、女性というふうに当時発表していたときのその後に、実際何かご家族の方が、いわゆる「あそこに感染者の方がいらっしゃるようだよ」という声を近所なりから受けて、今回かなり慎重になられたとか、そういったケースがあったのでしょうか。県のほうで再陽性が出たときに、そのようなことを理由に詳細は公表しなかったケースがありましたけれども。
(福祉保健部長)
 直接的に、そういう話は聞いてはおりません。ただ、今おっしゃったようなことも一つの要因かな、ということは推測されます。市長さんからお答えさせていただきましたが、我々とすれば、これまでもできるだけ感染拡大防止に資するような情報は積極的に公表していくということを前提にしています。そのスタンスはこれからも変わらないです。ただ今回は、感染拡大防止に資する情報を積極的に公表するということではなく、お亡くなりになられた方の事実を公表するということでございますので、ちょっと今までの公表の仕方、スタンスとは違うのかな、と思っておりますし、やはり最優先しなければいけないのは、ご遺族のご意向なんだろうと思っています。それを尊重していくことが、これから感染された方に情報を聞き出すための一つ、信頼関係をつくっていくための一つであるだろうと思っています。なので、今回なぜご遺族の方がそのようにお話されたのかは詳細にはお話いただけませんでしたけれども、今お話しされたような、これまでのインターネット社会の中での風評被害的なことも、一つあったのではないかなと想定しているところございます。
(記者)  推察をすると。
(福祉保健部長)
 はい。
(記者)  ご高齢の方がお亡くなりになったということで、医学的に見て。基礎疾患もない、なぜ重症化したという、例えば体力面などの衰えであったり、どういった要因が考えられるかというのを、所長に伺えればと。
(保健所長)
 もうすでに論文等で発表されておりますけれども、高齢の方、あるいは基礎疾患がある方が重症化しやすいと言われております。ですので、この方は特段の基礎疾患はないとお聴きしておりますけれども、何らかの基礎的な状態もあったのかもしれないと推測されます。現在把握している中では、大きな基礎疾患なく、ご高齢であったということだけでございます。
(記者)  繰り返しになってしまい恐縮ですが、先ほどの情報の出し方ですが、何例目ということを出してほしくないと、遺族の方がおっしゃったというわけではないのでしょうか。市の方が、何例目というのを出すと個人情報の特定になるからと、市が判断したのでその情報は出さないと。どちらでしょうか。
(福祉保健部長)
 お話をする経過の中で、当然、特定されては困るということになれば、私も繰り返しになってしまいますけれども、県内では60例目、甲府市では15例、高齢者は5例、その中で何例目と私どもが申し上げると、“そうかな”と思ってしまうのは当然なんだろうということで、直接何例目か言わないでほしいとは言われませんでしたけれども、特定するような情報は公表してもらっては困るという話の中で、我々が判断したということであります。
(記者)  何例目かというのを出すと、何で特定されるかがわからないんですよ。
(福祉保健部長)
 それは、我々はそう思っていますけれども、公表される方からすると、そういう不安があるわけではないですか。それは汲み取ってあげないといけないと思います。
(記者)  遺族の方が不安に思った場合は、市の方が説得をして“大丈夫ですよ”と。“これまでも市は個人情報に配慮しながら情報を出してきたので安心してください”と説得したらいいのではないかと思うのですが。
(福祉保健部長)
 これまでは、感染拡大防止のためにそういうこともありました。すべての事例でそういうスタンスを取ってきましたが、今回はそうではなくて、感染拡大防止に資するような情報を提供する、確かにそれも一つあるかもしれませんけれども、それとはまたちょっと違うじゃないですか。情報の公表の仕方というのでしょうか。先ほどもお話しましたように、感染リスクが高い高齢者がもしかしたらお亡くなりになってしまうリスクも高くなる。なので、“これからも感染予防を徹底してくださいね”という注意喚起のために公表したわけです。これまでは、感染拡大防止に資するために必要な情報を公表してきたわけですから、スタンス、考え方が違うのではないかと思います。
(記者)  受け止め方が、私の中ではよくわかりませんね。感染拡大、ではなんで何十代のという情報が必要なのかとかね。突き詰めていったらよくわからないんじゃないですかね、これ。
(福祉保健部長)
 確かに統計上は感染された方が何十代で、性別は何で、どこが発症源だったのか、そこは必要かなと思いますけれども、今回はお一人お亡くなりになられているわけですから、そこは、これまでのように積極的に説得をするということではなく、ご遺族のご意向を尊重していく、ご遺族のご意向がそうであればそれは尊重するということは、決して間違ってはいないと思います。
(記者)  遺族の方が具体的にそこまでの情報は出してほしくないと言って来たらわかるんですよ。だけど、遺族がそこまで言っていないのに、市のほうが忖度ではないけれど、少し考えて、情報を抑制したようなふうに見受けられる。
(福祉保健部長)
 決して抑制などはしていなくて、我々は個人情報には配慮するし、人権は尊重していくことが前提で公表してきているわけです。このことはこれまでも同じです。ただ、おっしゃるように、記者さんはそう思っているかもしれませんけれども、当の本人はそうではないと思う社会になっているわけじゃないですか、今、インターネット社会の中で、風評被害がたくさん言われている方を見てきているので、そういう不安になるのは至極当然だと思います。でも、感染拡大防止に必要な情報であれば、積極的にご理解いただくようにお話をして、市長が申し上げたように公表していきます。それは変わらないです。でも今回はそうでないと判断をしたということで、ぜひご理解をいただきたいと思います。
(記者)  この方の最初の症状は伺えないでしょうか。咳症状とか発熱とか。
(医務感染症課長)
 咳、発熱はあったようです。
(記者)  市長にお伺いします。公表についてですけれども、ほかの自治体で、例えば川崎市などで入院後死亡されているとか、何例目の方かはっきり出しているんですけれども、甲府市ができない理由を教えていただけますか。
(市長)
 先ほどから申し上げています通り、ご遺族の方との話し合いの中でこういう対応を取らせていただいております。県内で何例目、甲府市で何例という数が決まっております。その一つひとつの内容を、もしきちんと記録している方がいらっしゃるとすると、そのことを言えばすぐに特定されてしまうと私どもは思っておりますので、ご遺族の方が今までのコロナウイルス感染症の感染された方々の情報について、SNS等で誹謗中傷等々されている状況がある中で、特定をされたくないと。亡くなった方を静かに送りたいということであれば、そのことに配慮させていただきたいということで、今回こういう対応をさせていただきました。先ほどから申し上げていますように、このことで例えばクラスターとか感染拡大とか、市民の皆さまにさらなる感染リスク、健康リスクが広がることがあればまた別でありますけれども、そうではないと判断しておりますので、恐縮でありますけれども、今回こういう公表の仕方をさせていただいた次第であります。
(記者)  人権を尊重してというお話をされたんですけれども、ほかの自治体で発表されているということは、人権は尊重されていないということになるのでしょうか。
(市長)
 何例かの人権に対する誹謗中傷が出てきていることも事実として見受けられますので、ご遺族の皆さま方との話し合いのもとに、そういうことにつながらないようにしようということで、今回このような対応を取らせていただいたところであります。
(記者)  もう一度同じ話になってしまいますけれども、高齢者が5人いて、その中の誰かという発表の仕方をすると、ほかの4人の方が風評被害を受けるわけですよ。そういうぼかすことが風評被害につながるのですから、よろしくないと思いますよ、ぼかすのは。
(市長)
 ご遺族のご意向を重視させていただきまして、ぼかすと言いますか、ここまでの公表とさせていただいたという意向であります。
(記者)  今回、高齢の方が亡くなられたということで、改めて注意を呼び掛けたいということをおっしゃっていましたけれども、市として、高齢者に対する対応などで、具体的に何かをするだとかそういった考えはありますでしょうか。
(保健所長)
 このほど、緊急事態宣言もほとんどの地域で解除される運びになっていくわけですけれども、このことで社会活動、経済活動はおそらく活発になっていくだろうと思いますが、高齢者の方や基礎疾患のある方については、先ほど申し上げましたような感染予防対策を自らお取りいただくとともに、高齢者を取り巻く方々がいらっしゃいますね、ご家族や医療機関もそうですし、介護施設などもそうですけれども、この高齢者や基礎疾患がある方々を取り巻く方々については、いっそうの感染予防対策を併せてお願いしたいと市でも呼びかけていきたいと考えております。
(記者)  それはどういった方法で呼びかけていくのですか。
(保健所長)
 どんな対策をすれば効果的かというのが、だいぶこの感染症についてはわかってきていますので、それぞれの対象の方々に対して、これから社会活動、経済活動が活発になってきた時期に、どのように対応していけばいいのかというのを具体的に呼びかけをしてきたいと考えています。
(記者)  新規の感染者が出たわけではないので的外れになるかもしれませんが、念のための確認で、昨日から始まった市内の小中学校の対応というのは、予定通りでよろしいでしょうか。
(市長)
 はい、予定通りです。先ほど保健所長が申し上げましたことにちょっと加えさせていただきますと、とりわけ各地域でご活躍をいただいている方の中にもご高齢の方がいらっしゃいますので、その方々がこれからもお元気に地域の活動、あるいはさまざまな活動を展開していただくためにも、これまでと同じように気を緩めることなく、3つの密、あるいは予防対策をそれぞれが喚起をし合いながら、コロナ対策を継続していただけるように、市としてもさまざまな呼びかけをしていきたいと思っております。
(保健所長)
 相談センターでは、引き続き、咳、発熱、その他呼吸器症状のある方の相談を受け付けておりますので、心配な方はぜひご相談いただき、安心して医療を受け、そして社会生活をしていただけるようにと考えております。どうぞご相談いただきたいと思います。
(記者)  確認ですが、酸素の吸入や人工呼吸器はICUで受けたということでよろしいですか。
(保健所長)
 人工呼吸器は少なくともICUだったとお思いますが、酸素吸入はICUであったかどうかは確認できておりません。
(記者)  亡くなったのは昨日ということですが、何時頃でしょうか。
(保健所長)
 夜です。
(記者)  甲府市、居住地は自宅でよろしいですか。
(保健所長)
 はい、自宅です。
(以上)
※患者様の概要は、感染症法に基づき感染症の予防等のために公表したものです。患者様・ご家族様等の人権尊重・個人情報保護にご理解ご配慮をお願いします。