県内では4月中旬以降、南アルプス市の高齢者施設で職員と入所者ら計35人に広がるクラスター(感染者集団)が発生。施設では基本的な感染対策がとられていたが、入所者の入浴や介助の際に職員がマスクを着用していない場面や、職員が自身の体調不良に気付かずに勤務したケースが確認された。
こうした教訓を踏まえ、県は施設の内外を行き来する職員について、感染の早期発見を重視。入所者への感染を防ぐため、感染拡大が確認されていない地域でも定期検査を実施するとした。対象職員は最大4700人を見込んでいる。
また介助時にマスク着用が求められる職員の息苦しさなどの負担軽減策として、マスクの内側に装着するプラスチック製のインナーフレームを各施設に数十個ずつ配布するとした。県は「暑さや湿気、汗でマスクが口に張り付くなどして、呼吸がしにくい状況があり得る」として「感染防止を徹底する意味ではマスクの着用はずっとしてほしい」と求め、インナーフレームの積極活用を呼び掛けている。【梅田啓祐】