山梨県で新型コロナ変異株「E484K」確認

山梨県立中央病院で新型コロナ変異株「E484K」10件確認

◇ 2021.04.09 県立中央病院 新型コロナ変異株「E484K」10件確認(04月09日 17時02分 NHK甲府放送局)
県立中央病院が、新型コロナウイルスの感染者の検体について独自にゲノム解析などを行ったところ、東京や宮城などで確認が相次いでいる「E484K」と呼ばれる変異ウイルスが、10件確認されたことが分かりました。

甲府市の県立中央病院のゲノム解析センターでは、院内の検査で新型コロナウイルスへの感染が確認された人や別の病院で感染が確認されたあとに入院した人の検体について、ゲノム解析やスクリーニング検査を行っています。
ゲノム解析センターによりますと去年2月から8日までの150人について調べた結果、このうち10人が「E484K」と呼ばれる変異ウイルスに感染していたことが確認されたということです。

この変異ウイルスは、東京や宮城など東日本を中心に感染確認が相次いでいて、この変異があると抗体の攻撃から逃れる性質を持つと考えられています。
また、再感染しやすくなる可能性やワクチンが効きにくくなる可能性などが指摘されていますが、これまでのところ感染力が著しく高くなったり、症状が強くなったりするなどの変化は報告されていないということです。

県内ではこれとは別に、イギリスなどで報告され、感染力が強いとされる「N501Y」と呼ばれる変異ウイルスが、これまでに5件確認されています。

県立中央病院ゲノム解析センターの弘津陽介チーフ研究員は「変異ウイルスは県内でも広がっている可能性がある。現状では性質などは詳しく分かっていないが、性質も含めてゲノムの情報を解析するとともに今後の動向を注視していきたい」と話しています。