まずはPCR検査について。これは新型コロナに感染していることを診断するための検査です。
次に抗体検査。これは抗体を保有しているかどうか、つまり感染をした形跡があるかどうかを調べる検査です。
次に抗原検査。これは短時間で新型コロナに感染していることを診断するための検査ですが、PCRよりも不正確であるとされています。
今回私たちが実施する研究では、一般的な新型コロナウイルス抗体検査で扱われている技術的に測定しやすい抗体を、横浜市立大学の独自技術により高精度で測定します。さらに、横浜市立大学が最近開発した最先端の技術を用いて、感染阻止に寄与する抗体(中和抗体)の測定も同時に行います。同大によると、過去に新型コロナに感染した20才以上の男女が対象。PCR検査で陽性と判定された日から半年後と1年後にそれぞれ採血し、再感染を阻止する免疫として働く「中和抗体」の有無などを調べる。最初の調査結果を早ければ9月中に報告する。
感染から長期間がたっても中和抗体を持っている人の割合が分かれば、多くの人が免疫を持つことで感染拡大を抑える集団免疫が成立する可能性を評価できる。ワクチン開発にも役立つという。
調査には、プロ野球元阪神タイガースの片岡篤史さんやフリーアナウンサーの赤江珠緒さんら著名人も参加を表明している。
山中竹春教授は「検査手法は非常に精度が良い。新型コロナをよく知るため、多くの回復者に参加してほしい」と話している。
厚生労働省は今月(2020年7月)14日、国内の感染者8人から中和抗体を確認したと発表したが、体内で存在し続ける期間は分かっていない。