2020年3月14日 安倍晋三首相の記者会見全文

安倍首相の会見全文(3/14)(産経新聞・新型コロナ 2020.3.14 掲載)
 (1) 現時点で緊急事態を宣言する状況ではない」
 (2) 「卒業式は工夫の上で、ぜひ実施を」
 (3) 「ワンチームで苦境を乗り越えていきたい」
 (4) 「今月中に1日8000件までPCR検査増強」

  【1~4 が首相からのメッセージ、以後は記者との質疑応答です】

 (5) 緊急事態宣言発令「国民に説明をする機会設ける」
  『--新型コロナウイルスがどのような状況になれば、緊急事態宣言を発令するのか、客観的な基準は。これまでの危機管理の中で得られた反省点や教訓は』

 (6) 「感染拡大を乗り越え五輪を無事に開催したい」
  『--東京五輪・パラリンピックは予定通り開催できるとの考えか。トランプ米大統領が言う1年延期や規模の縮小、中止となる可能性はあるか。国際オリンピック委員会(IOC)がそれを判断するタイムリミットはいつごろになるか』
  『--中国湖北省滞在の外国人の入国拒否を2月1日から行ったが、中国全土からの入国制限は3月5日だった。今から振り返ると入国制限をした時期が遅かったのではないかという反省はあるか。その判断の際に習近平国家主席の訪日に配慮したのか。』

 (7) 「雇用を守り抜き、成長軌道に戻す」
  『--景気対策の一環として消費税を一時的に5%に下げるようなことも聞くが、消費税の引き下げについてどのように考えるか』
  『--経済対策はどのぐらいの規模と予想するか』

 (8) 新型コロナ収束時期「申し上げる状況にない」
  『--感染者の多い北海道の知事が法的根拠のない緊急事態宣言を出して毎週末、外出自粛を要請している。市民生活が制限され、経済も被害を受けている現状をどう見ているか。対策をどうするか。収束の見通しは』

 (9) 「雇用維持と事業継続を最優先に対応」
  『--経済対策はどういうものをイメージしているのか。いつごろからその対策は利用可能になるのか』
  《司会》『では最後に1問とさせてもらいます。手短にお願いします』
  『--学生の就職について。新型肺炎の影響で内定取り消しや入社延期の不安など、来月から社会に出ようとする多くの学生の皆さんが不安を抱えている。政府はこうした不安や懸念に対して、どのように今後対応していくのか』

 (10) 緊急事態宣言「簡単な判断ではない」
  《司会「以上を持ちまして記者会見を終わらせていただきます。すいません、予定を過ぎておりますので終わらせていただきます。ちょっと予定しておりますので。(「おかしいですよ」などの声多数)最後に1問だけお答えいただきます」》
  『--雇用労働者に対し、フリーランスへの保障が半分であることに疑問が出ているが、どう考えるか』
  司会「どうもありがとうございました。すいません、ちょっと予定を過ぎたので」》
  「まあ、いいんじゃない」
  『--緊急事態宣言は私権の制限がある以上、首相や政権に対する信頼が非常に重要になってくる。しかし、黒川弘務東京高検検事長の定年延長問題では国民の知らないうちに解釈が変更された。しかも口頭決裁という手続きだった。国会答弁も虚偽だった(首相、首をかしげる)。政権への信頼が非常に失われる状況ではないか。信頼を回復するためには黒川検事長の定年延長の閣議決定を取り消す、あるいは口頭決裁で解釈変更したことを撤回することを考えているか』

 (11)完 改正特措法と憲法改正「全く別物」
  《司会「ではですね。すみません、全員を差したいんですけど、あれですけど、あと2問指してもらえますか。同じ会社の方が手を上げられた方はすいません」》
  『--米国の非常事態宣言では5兆円余りの財政出動が可能になる。今後、第3弾の緊急経済対策を策定するか。実施の目途は』
  《司会「はい、最後の1問に指していただきます。真ん中の、男性の、すいません、お名前を、所属があるのかどうか明らかにしてください」》
  『--今回の改正特措法に盛り込まれた非常事態宣言が発令されたとき、報道や言論の自由は担保されるのか。自民党の改憲案には緊急事態条項が盛り込まれているが、今回の非常事態宣言が布石とならないか』
(5)以後の引用は、産経新聞が記載した「質問内容」と「司会の発言」です。
(9)に書かれている・・・「そうした手立てを講じたところでありますが、学者の皆さんの前途も考慮して今はですね。何とか予定された採用を実践をしていただきたいと、われわれは考えておりますけれども、こうした支援をしていく考えであります。学生の皆さんにはいろいろと不安を感じておられるでしょうが、政府としてもできる限りのお手伝いをさせていただきたいと、こう思っているところでございます」・・・「学者の皆さん」は「学生の皆さん」の誤植と思える。(2020.03.16)https://www.sankei.com/contact/