感染経路を見いだす質的研究

国立国際医療研究センター 感染経路を見いだす質的研究

国立国際医療研究センター 最新情報
2021.08.13 感染経路不明、増加の一途 リスク高い行動歴目立つ(産経新聞 2021/8/13 19:01)
 新型コロナウイルス感染症をめぐっては、専門家が感染拡大の指標の一つとして、接触歴不明者の数と増加比に注目している。感染経路の特定は、効果的な感染対策にもつながるが、接触歴不明者数は増加の一途をたどり、現在は1日当たり約2500人に上る。専門家は「経路の追えない潜在的な感染拡大が生じている」と危機感を示す。
 東京都では感染の広がりを反映するとともに、新たなクラスターが形成されている可能性を探るため、接触歴不明者の数と増加比を監視している。
 新型コロナウイルス感染症をめぐっては、専門家が感染拡大の指標の一つとして、接触歴不明者の数と増加比に注目している。感染経路の特定は、効果的な感染対策にもつながるが、接触歴不明者数は増加の一途をたどり、現在は1日当たり約2500人に上る。専門家は「経路の追えない潜在的な感染拡大が生じている」と危機感を示す。
 東京都では感染の広がりを反映するとともに、新たなクラスターが形成されている可能性を探るため、接触歴不明者の数と増加比を監視している。
 都内では、3回目の緊急事態宣言が蔓延(まんえん)防止等重点措置に移行した直後の6月23日時点の7日平均で、接触歴不明者は1日当たり260・6人。それまでの過去最多だった第3波の1192・4人(1月11日時点)を下回っていた。
 しかし、その後、不明者数は増加し、3週間後の7月14日時点では502人とほぼ倍増。さらに2週間後の同月28日時点では1246人に上った。
 8月に入ってからも不明者数は増加を続け、11日時点で2484・6人。感染力の強いインド由来の変異株「デルタ株」の拡大で新規感染者数が激増したことが背景にあるが、感染経路を追えない不明者数の急増は想定を超える感染拡大のリスクをはらみ、国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「厳重な警戒が必要」と危機感を示す。
 都内の感染状況を分析する12日のモニタリング会議は「接触歴不明者の増加比が100%を超えることは感染拡大の指標となる」とコメント。不明者数が2カ月以上増え続け、増加比も100%を上回る水準で推移しているとして、徹底した人出の抑制と感染防止策を呼びかけている。
 新規感染者に占める感染経路不明者の割合も高い水準にあり、11日時点で63・1%。感染状況をみる国の指標では50%を超えると、感染状況のステージ3(感染者急増)か4(爆発的感染拡大)に該当する。
 また、国立国際医療研究センターの研究グループは5月22日から6月29日に同センターの病院に入院した患者のうち、感染経路が分かっていなかった22人について詳しく調査。64%にあたる14人に感染リスクの高い行動歴があったという。このうち、88%が飲食関連で、ほとんどがマスクを付けていなかったという。
 こうした行動を取った理由を聞き取ったところ、「外食が感染のリスクだとは知らなかった」「仕事の後なら職員同士でマスクなしで話しても大丈夫だろう」といった回答があったという。
 センターでは調査結果から、「感染には飲食が多くの事例で関係していることが分かった」とした上で、「感染防止に対する意識付けや十分な知識が不足しており、今後解決すべき課題といえる」としている。
PCR検査の現実 コロナ禍と向き合う医療従事者の姿(時事通信、著者・青沼陽一郎 作家・ジャーナリスト)(2021年1月28日掲載)以下は部分引用です・・・
 東京都発熱相談センターに電話したときのことだ。(中略) この2週間は人との接触を控え、食事も買って来たものを自宅で取り、原稿を書いて過ごした。同居人もいない。感染したルートが思い当たらない。
 すると電話の向こうでは、すぐに事情を理解したように落ち着いた口調で意外なことを言った。「今は、真面目にコンビニやスーパーしか往復していないのに、感染している人も出ているんです」。だから、私が感染したとしても何の不思議もない、という口ぶりだった。そして、こう続けた。「どうやら、買い物かごから感染しているとみられています」。驚いて聞き返すと、彼女は繰り返した。「ウイルスが付着した買い物かごを触った手で、そのまま口や鼻などを触れば感染します」
(中略)
 政府や専門家は、これら感染経路不明の多くが会食の場を通じたものだとして、とにかく会食自粛を喧伝(けんでん)している。しかし都の現場は、もっと違った感染経路を認識している。そのことの注意喚起が足らず、市中で暮らす人たちに周知されていないのではないか。
(下線や強調表示は引用者です) 私も「コンビニやスーパーしか往復していない」一人です。マスク着用は当然で、店頭に置かれた手洗い器具で洗ってから店が用意している買い物かごを手にして店内を回ります。レジで支払が終って持参した買い物袋に店の買い物かごから移し、店内カゴは指定の場所に戻して店を出ます。
この青沼陽一郎氏の実例記事はとても参考になりました。
 2日後、昼すぎに電話が鳴った。女性の声がして、これから医師が検査結果を伝えると言った。保留音を挟んで、男性に代わった。その男性医師が、あっさり言った。「検査結果は、陰性でした」。思わず、こう言った。「ありがとうございます」。まったくそぐわない答えに、直後に自分でも失笑してしまった。でも、その気持ちはスタッフに伝えたかった。
2021年8月15日、私もご投稿を拝読して、かねてからの疑問を解消できるヒントも得ることができました。ありがとうございます。自分自身が無症状感染者だと思って生活するスタンスを続けたいと思います。
関連記事に気付きましたので記録しておきます。
国立国際医療研究センター 最新情報
 2021年8月10日 新型コロナウイルス感染症新規患者数増加の裏にある、追えていない感染経路を見いだす質的研究の結果速報について(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター)
2021.08.13 感染経路不明、増加の一途 リスク高い行動歴目立つ(産経新聞 2021/8/13 19:01)
コロナ禍対策の国政施策として飲食業に規制をかけGoToプロジェクトは行なわれました。
遠い昔のような気さえしますが2020年の事です。産経新聞記事に気付いて国立国際医療研究センターで確認できたので記録しておきます。医学医療に全く無知な私ですから、いつか時間ができたらこれに関連して行政が発信した当該施策の指示情報などを確認しておきたいと思います、主権者国民の一人として・・・
【追録】 『この調査ではこれまでに見つかっていなかった新たな感染経路が明らかになったわけではなく、むしろ感染には飲食がやはり多くの事例で関係していることがわかりました。感染防止に対する意識付けや十分な知識が不足していることわかり、これらが感染拡大を助長する可能性があり、今後解決すべき課題として挙げられました。
以上は国立国際医療研究センターの「コメント」です。 本文で「結果」として掲載されているのは以下の通り。如何に考えるかは読者それぞれの考え方・・・飲食業界規制に至った国政の検討経過を私は知りたいだけ、まさかこの22人調査結果だけではあるまいが・・・
 有効回答の得られた22名のCOVID-19患者のうち、男性が17名(77%)、女性が5名(23%)、年齢の中央値(四分位範囲)は52.5歳(44-66)、日本人が19名(86%)でした。22名のうち14名(64%)において既知の感染リスクの高い行動歴[1]がありました。また、行動歴/接触歴を解析し、既知の感染リスクが高い場面が延べ24ありました。そのうちの21(88%)が飲食関連であり、22(92%)においてマスクが着用されていませんでした。