山梨県の富士川水質調査は終了

富士川水質調査は終了

2022.03.25 富士川水質調査 指標を超える物質 検出されず終了(NHK甲府放送局 03月25日 18時00分)
富士川に堆積する汚泥から人体に有害とされる物質に変化するおそれがある化学物質が検出されたという一部報道を受けて、県や国などが行った調査で、県は、いずれの調査でも基準とする指標を超える物質が検出されなかったため、県内での調査を終了すると発表しました。
山梨県と静岡県、それに国は、去年7月と10月、それにことし1月の3回にわたり、富士川や、富士川に流れ込む河川から水を採取し分析を進めてきました。

ことし(2022年)1月に15か所で行った3回目の水質調査の結果について、6地点では物質は検出されましたが、いずれもWHO=世界保健機関が人体への影響を考慮して定めている飲料水の水質ガイドラインや環境省が示している水生生物への影響が予測される濃度など、県などが参考とする指標を下回っていたということです。
県は、これまでの3回の調査すべてで検出された物質の量が指標を下回ったことなどから、県内での調査を終了することを決めました。

一方、富士川の静岡県内の地点では、前回までの調査と比べて物質の濃度に変化があったことから、静岡県内では水質調査を継続する予定で、川に堆積する泥についても調査するための方法の開発を進めるということです。
大騒ぎした富士川水質悪化について、2021年7月からの3回検査で結論としては、山梨県側で富士川の水質保護に問題は無かったという結論です。
 発表日:2022年1月20日 富士川水系の河川水等に係る調査(3回目)について
  PDFファイル・富士川水系の河川水等に係る調査(3回目)について
 発表日:2021年10月21日 富士川水系の河川水等に係る調査について
  PDFファイル・富士川水系の河川水等に係る調査について
静岡県、富士川流域濁り調査 site:at-s.com
サクラエビ異変(静岡新聞の特集サイト)
「富士川水系の濁り」(静岡新聞・関連記事リンク集)
2021.12.30 回顧2021⑤ 富士川汚泥
2021.07.27 富士川、共同で水質調査 静岡と山梨両県が覚書 ポリマー汚泥残留の可能性受け(静岡新聞)
 採石業者による不法投棄で富士川水系に高分子凝集剤入り汚泥(ポリマー汚泥)が残留している可能性が高いとの東京海洋大研究室と静岡新聞社の分析実験を受け、静岡と山梨両県は27日、水質や堆積物の調査などを共同実施する覚書を交わした。静岡県庁で川勝平太、長崎幸太郎の両知事が署名し、流域環境復元に向けた連携を確認した。

 両県によると、河川水と堆積物をそれぞれ調査する。河川水の調査は、7月下旬から雨畑川や早川などの支流を含む富士川水系11地点(静岡県内5地点、山梨県内6地点)で各200ミリリットル程度を採取する。高分子凝集剤に含まれるアクリルアミドポリマー(AAP)が変化してできる劇物アクリルアミドモノマー(AAM)や、人の健康に関する水質基準が設けられた26項目の有害物質を調べる。静岡県環境衛生科学研究所などが分析する。
 堆積物調査は、汚泥から凝集剤成分を検出する方法が確立されていないとして、秋ごろをめどに委託した専門業者の計画に基づき着手するとしている。ただ、汚泥の調査地点の選定には至っていない。川勝知事は「もとの美しい河川環境に戻すため現状を把握したい」と強調。長崎知事は「オープンな場で調査し、科学的に評価する」と述べた。

 一方で、調査はAAPに比べて検出が難しいAAMをターゲットとしていることや採取する水の量が少ないことから疑問を呈する専門家もいる。
 (「サクラエビ異変」取材班)
2021.07.28 流域11カ所の水質調査を開始 静岡・山梨両県(静岡新聞)
不法投棄 10年間で合計22トン 山梨県が調査結果発表
 富士川水系雨畑川で採石業者ニッケイ工業が長年続けていた、高分子凝集剤入り汚泥(ポリマー汚泥)の大量不法投棄で、山梨県は合計約22トンの凝集剤が河川内に投棄された、との調査結果を26日までに発表した。また、河川内への不法投棄は2009年から本紙が19年5月に報道するまでの約10年間続いていたことも新たに分かった。
 22トンの凝集剤は、ニッケイ工業が砕石を製品化する際に出る汚水に添加され、濁り成分の沈殿に使われた。同社は沈殿したポリマー汚泥を雨畑川に不法投棄していた。ポリマー汚泥の総量について山梨県は依然明らかにしていない。